もはや善も悪もない?
米国学者協会の調査によると、アメリカの大学2年生の75%が、「この世に善悪は存在しない」と教えられているそうである(PCA News, Information and Resources,PCANEWS.com Newsletter for 07/30/2002)。協会のスティーブン・ボルシュはこのように述べている。「現在アメリカの大学は、学生に対して、『旧い道徳』によって自分の意志が妨げられるようなことがあってはならないと教えている」と。彼は、「結局『自分のやりたいようにやりなさい』という意味でしかない哲学的見解を提供することによって、大学は、学生達にもろもろの誘惑に陥る機会を与えているのだ。」と述べた。また、「アメリカの将来のリーダーたちは、この新しい世俗的な規則にしたがって行動するようになるだろう」と予測した。将来リーダーになると思われる新しい世代の人々が、「この世には守るべきはっきりとした規則がある」という確信がないままに世の中に出て行くのは悲しむべきことである、とも述べている。
さらに、PCA Newsによれば、『無神論アメリカ人』という団体は、ワシントンにおいて、今秋『無神論アメリカ人によるワシントン行進』を計画しているという。全米の無神論者、世俗主義者、ヒューマニストたちは、9月11日のテロ以降、アメリカの文化や政治において宗教勢力の影響が強くなっていることへの対抗措置としてこの行進を行うらしい。Cybercast Newsによれば、行進の組織者の目標は、「アメリカ政府の中に元々あった世俗性を回復すること」にある。
アメリカにおける世俗化の著しい伸張は、やがて日本にも悪影響を及ぼすだろう。「無神論」の行き付く先は、混沌と闇である。基準がない社会はやがて崩壊する。そして、弱肉強食の社会、力のある者が、力のない者をしいたげ、束縛し、搾取する社会が到来する。キリスト教が築き上げた今日の文化が崩壊の危機に瀕している。
それでも我々は、立ち上がらないのか?
02/07/31