今回のイラク攻撃をめぐって明らかになったことは、次のような図式である。


新保守派とイスラエル右派は強い関係にあり、どちらも、中東のアラブ諸国を「民主化」することを目指している。

彼らは、「民主化」とは、アメリカがそうであるように、「宗教的に中立な政体」であり、「政教分離」を原則とすることである、と考えている。

イスラム教が原理主義に走り、政治や生活領域をすべてコーランの教えによって行うことが、あらゆる問題の根なので、アラブ諸国から原理主義を取り除くことが必要である。

そのためには、武力でもって政体を転覆させることも必要である。

アラブの原理主義政体が一掃されれば、中東にはイスラエルを脅かす者がいなくなり、平和が実現する、という。


ここから分かることは、

対立の本質は、「イスラエルおよびアメリカの宗教的中立的世界観」対「宗教的世界観」にあるということである。

もちろん、アメリカの宗教的中立的世界観は、その建国当初から唱えられてきた「ニュートンの理神論的世界観」である。

これは、すでにこのＭＬにおいて述べてきたように、フリー・メイソンの世界観である。


私は、フリー・メイソンとユダヤ教の深層にある目的は共通しており、それは、「異邦人に旧約律法を守らせない」ということにあると考えている。

アメリカが目指しているのは、全世界の国々の政体を「世俗民主主義」に変えることであり、ヒューマニズムによる世界支配である。


今回のアメリカのファンダメンタリストのクリスチャンのイラク攻撃支持において分かったことであるが、プレ・ミレと反セオノミーに立つクリスチャンの政治運動は、このアメリカの「宗教的中立的世界観」を容認するものであり、それゆえ、「世界のヒューマニズム化」に対してはまったく抑止力になっていない。

私は、「世界は神の法と聖霊によって支配されるキリストの王国になるべきである」と考えるので、このようなアメリカの策謀に対しては、強く反対する。


おそらく、現在アラブにおけるイスラム原理主義が攻撃の的となっているように、将来、キリスト教再建主義も攻撃の対象となるだろう。

そもそも、宗教的に中立な政治などありえないのであり、アメリカのニュートン理神論的世界観の背後にはサタンの覇権主義があることを見抜かねばならない。


我々は、どのような政体であろうとも、キリストの主権を認めない政体は、サタンの政体であることを認めなければならない。

03/03/30