ヒューマニズムとはまったく異なる社会機構を

 

<ご質問>
富井先生、こんにちはH.Shinyaです。「ヒューマニズムの定義」を親切に教えてくださりありがとうございました。これからも、このHPでクリスチャンを聖書的に導き、世の中の間違いをただしつづけて下さい。応援しております。

<お答え>
御返事をありがとうございました。
ヒューマニズムは、「博愛主義」と同義のように用いられていますが、文字通り解釈すれば、human(人間)+ism(主義)で、人間中心主義ということになります。
このHPにおいてしばしば触れてきましたが、ヒューマニズムの理想は、大別すると、2つあります。
(1)ヒューマニズムの人格理念(the Humanistic Ideal of personality)
(2)ヒューマニズムの科学理念(the Humanistic Ideal of Science)

(1)は、「人間から出発し、人間だけで幸せになれる世界」を目標とします。人間を中心とする桃源郷を目指してヒューマニストは努力してきました。共産主義はその純粋型の一つです。

(2)は、「世界を科学だけで解釈できる閉じられた系とみなし、神の摂理を除外した世界」を目指します。この世界で起こるすべてのことは、科学によって解釈可能であり、超自然的力は働かないと考えます。それゆえ、奇跡や様々な霊的現象を否定します。

私たちは、知らず知らずのうちにこの思想を自分のものとしてきました。教育がこの理念に基づいているからです。しかし、これらは、バベルの塔の出来事のように、神抜きで人間の自治体を作る動きですから、当然呪いを受けることになります。

共産主義国ソ連は、70年余りで崩壊しました。北朝鮮の中心的ホテルは、バベルの塔とそっくりの形をしていますが、建設途中で傾いてしまいました。

私たちクリスチャンは、神抜きの理想郷を目指す現在の体制を批判し、それを乗り越える教えを唱えて、また、それを実践していく必要があります。

ヒューマニズムは、「一人が万人のために、万人が一人のために」という標語に現われているように、あたかも博愛主義のように見えますが、人間だけで成り立つ世界を作るという土台がありますので、背後には糸を引く黒幕――サタン――がいるのです。

私たちは、ナイーブであってはなりません。私たちはヒューマニズムの本質を見ぬいて、それから影響を受けない社会を作っていかねばなりません。教育から政治から一切のものを聖書に基づいて再編する必要があります。

社会をダムにたとえるならば、水源は、思想です。
どの社会の大元にも、哲学や思想、宗教があります。そこから色々な支流が流れ出るのです。
しかし、実際の社会では、この大水源の下にもう一つステップがあります。それは、学問という名の貯水池です。学問は、その思想の枠組みに基づいて世界の各分野を解釈していきます。その解釈は、それぞれの領域に対して巨大な影響力を持っており、各方面の専門家は、学者の意見に大きく影響されます。
教育者は、学者の意見に基づいて教育を行います。
政治家も、その政治理念を大きく学問に依存しています。

この給水体系の大元である水源に毒が蒔かれれば、下流も汚されることになります。

現在の社会体制の大元には、ヒューマニズム思想があり、サタンはこの給水体系を利用して、自分の支配を社会の隅々にまで広めようとしています。

私たちは、この給水体系から水をもらっている限り、その毒から逃れることはできません。まったく新しい「創造論に基づく」給水体系を作らねばならないのです。
そのためには、まず、ヒューマニズムの影響からまったく自由な聖書的信仰という水源を作らねばなりません。

ひとたびこの水源が確保されれば、そこから様々な独自の社会機構が生まれてきます。学問は、創造論に基づく、既存の学問の体系とはまったく異なる体系になります。現在のような「あたかも世界が神によって創造されなかったかのようにして築き上げられた」学的システムではなく、はっきりと旗色を鮮明にして、堂々と聖書を真理の土台とした学説を展開しなければなりません。そして、教育は、この学問に基づいて再編されます。子供たちは、この世界を創造された世界として認識するように教えられる必要があります。

クリスチャンは、神の預言者なのです。預言者が、敵から水をもらいながらまともな仕事ができるわけがありません。

 

 

02/04/06

 

 

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