死につつあるディスペンセーショナリズム

 

 伝統的なディスペンセーショナリズムは、現在、学問的に言えば、ほとんど死にかかっています。

 3大ディスペンセーショナリズム神学校、ダラスグレースタルボットは、それを捨てつつあります。

 ダラス神学校は、ディスペンセーショナリズムをかつてほど強調しなくなりました。ディスペンセーショナリズムの大御所チャールズ・ライリーと、有名な著者ウェイン・H・ハウスが学校を辞めたのはこのことを象徴しています。1970年代中ごろに学位を授与するようになってからは、クリスチャン・カウンセリングのような教科を強調しています。

 1980年代後半、タルボット神学校は、伝統的なディスペンセーショナリズムを捨てて、新しいバージョンを採用し、教授陣も刷新しましたが、ディスペンセーショナリストの卒業生に対して、この変化について公に説明していません。

 同じような秘密の変化は、グレース神学校にも起こりました。理事会は、理由を公表せずに、著名なディスペンセーショナリスト、ジョン・C・ウィットコウムを任期をまだ3ヶ月残す前にクビにしました。ウィットコウムは、かねてから学校に「重大な変化」が起こりつつあると言って、不満を表明していました。そして、さらに、「神学修士」や「神学博士」の学位の授与を停止し、「グレース神学ジャーナル」という学術誌をも廃刊にしました。ゲイリー・ノースは、この変化について、「プロフェッショナルな学問レベルにおいて、グレース神学校は自殺した。」と述べました。

 そして、グレース神学校の献金者に向けた手紙(1990)において、学長ジョン・J・デイビスは、次のように述べたのです!


12.グレース神学校の使命と目的は何ですか?


――本校の目的は、「完全な聖書的世界観に基づいて文化に影響を与えることができるクリスチャン・ミニストリーのリーダーを育成すること」です。



さらに、デイビス学長は、1993年の1学期の「学長から牧師先生へ」というニュースレターにおいて、次のように述べました。


質問:ディスペンセーショナリズムの神学校の指導者たちが、「文化に影響を与えなければならない」と述べたのを聞いたことがありますか。「完全な聖書的世界観」を求めたのを聞いたことがありますか?


――いいえ。一度も。



デイビス学長は、教授陣を、一部だけ残して、全面的に刷新しました。おそらく、この教授陣が教えるのは、

文化建設に貢献するディスペンセーショナリズム

でしょう。

ディスペンセーショナリズムの中心神学校における変化は、全世界の同神学校に波及するでしょう。

全世界のディスペンセーショナリズムは、結局、再建主義の文化建設主義に変わるでしょう。

 

 

03/04/20

 

 

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