「退化器官」にも役割はある

 

 昔、よく虫垂突起や尾骨は退化器官で無駄なものだと言われていたが、現在では、これも身体の中で一定の役割を果たしていることが明らかになっている。

 

 虫垂突起は、リンパ細胞が大半を占めていてリンパ腺と同じ働きをしていることが分かっており、尾骨は尻の筋肉や靭帯の着生点としてなくてはならない器官であることが判明したという。

 

 以前、解剖学が未熟だった18世紀ごろには、脳下垂体、扁桃腺、涙腺、親知らず歯、足の第3,4,5指など、現在有用であると分かっている100もの器官を退化器官と見なしていた学者がいたそうである。科学的な研究が進んでくるにつれて、退化器官の数はどんどん減って行き、現在では文字通り数えるほどしかなくなっている。事実、ある進化論学者は、「不要な器官など1つもない。必要だからこそ存在しているのだ。従って進化の証拠とは見なせない」(S・R・スキャディング『退化器官は進化の証拠になるか?』1981年)と完全否定している。

 

これから科学が進めば進むほど、生物の身体にとって無用なものはないことがますます明らかになり、それだけ進化論は窮地に立たされるだろう。

 

 

 

 




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