終末は近い?
これまで、ヒトラーや毛沢東の出現などを「反キリスト」の出現ととらえるミスを教会は繰り返して犯してきました。
1980年代のはじめに、宇野正美氏は、前千年王国患難前携挙説に立つディスペンセーショナリズム終末論をもとに、携挙が1980年代前半にあると大胆に予測しましたが、はずれてしまいました。
ヨーロッパ連合を聖書の十カ国同盟と考え、その中から反キリストが出現するという予測も、ヨーロッパ連合が12カ国になってしまい、外れてしまいました。
恐らく、ある程度、2000年問題は、世界に混乱を起こすでしょうが、それから発生する様々な社会問題を終末と結び付けて考えるクリスチャンが現われるだろうと思います。
しかし、じっくり考えてください。
聖書は、「イエスは、万物の回復のときまで天にとどまっていなければならない。」(使徒3・21)とはっきり述べているのです。
すなわち、万物の回復がなければキリストは再臨されることはないのです。
では、その回復はいつ来るのでしょうか。
「そういうわけですから、あなたがた(聴衆であるユダヤ人)の罪をぬぐい去っていただくために、悔い改めて、神に立ちかえりなさい。それは、主の御前から回復のときが来て、メシアと定められたイエスを、主が遣わしてくださるためなのです。」(20)
そう、まずユダヤ人の回心がなければならないのです。
ユダヤ人が「罪をぬぐい去っていただくために、悔い改めて、神に立ちかえ」る時に、「主の御前から回復のときが来」て、「メシアと定められたイエスを、主が遣わしてくださる」のです。
聖書は、はっきりと、終末に至る順番を明らかにしています。
(1)ユダヤ人の回心
(2)回復の時の到来
(3)メシアの再臨
ユダヤ人の回心に引き続いて、世界は回復します。
「彼ら(ユダヤ人)の受け入れられることは、(世界が)死者の中から生き返ることでなくてなんでしょう。」(ローマ11・15)
ユダヤ人が神に立ちかえるときに、世界は死者の中から復活するのです。
世界の復活(すなわち、世界が聖霊によって充満され、万物の秩序がキリストを中心に回るようになる状態)の後に、はじめてメシアは来臨されます。