終末は近い?2
今月号のハーザー誌の巻頭言に「終末」についての言葉があった。
キリストの再臨は、マタイ24章の前兆の後にあるという。
しかし、残念なことにマタイ24章は、世界の終末の預言ではなく、「イスラエル」の終末の預言なのだ。
「あなたの来られる時や世の終わりには、どんな前兆があるのでしょう。」(3)
における「世」の原語は、「世界」を表すκοσμοsではなく、「時代」を表すαιωνである。それゆえ、「世の終わり」と訳するよりも「時代の終わり」と訳したほうがよい。
実際に、23章では、「イエスは悔い改めないイスラエルに対して裁きが近づいている」ことを嘆いておられる(35-39)。
文脈は、明らかに「イスラエルの終末」を指している。
「イスラエルの時代が終わって、古いシステムをさばくためにキリストは来られる。」ということを、マタイ24章は証ししている。
また、キリストが来られるという表現は、必ずしも「再臨」を意味しない。
聖書においては、「主が来られる」という個所で「主の裁き」を表す個所が数多く存在する。
(参照:「マタイ24章は終末預言か?」)