人間は、きわめて弱い者であり、サタンに簡単に騙されてしまうものだ。

教会やクリスチャンは、常にこのサタンの攻撃にさらされている。サタンは隙を狙って、彼の信仰をぐらつかせようとたくらんでいるのだ。

サタンがとくに狙っているのは、「教え」である。なぜならば、教えは人間の生活のうちで最も基本に位置するからだ。

教えが間違っていれば、その人の生活全体が狂ってくる。

例えば、ある人は、「金こそすべて」という信条を持っている。すると、彼は、人を騙しても、利用しても、なんとしてでも金を得ようとする。そして、他の人々を傷つけ、苦しめ、自分をも破壊してしまう。

だから、教会やクリスチャンは、教えについて敏感でなければならないのだ。

さて、サタンは、教会やクリスチャンのところに、自分の手下を送りこむ。彼は、サタンによってコントロールされているから、サタンの願うことを行おうとする。教えについて言えば、彼は、偽の教えを吹き込んで、クリスチャンを真理から引き離そうとする。

彼の弁舌は巧みである。おだてたり、すかしたりしながら、我々の心を開こうと努力する。

一度我々が心を開くと、彼は、我々の心を占領するために、様々な手練手管を用いる。聖書をひもとき、「これは、初代教会が信じていた教えなのですよ。」と言ったり、「これは、今、あの有名な牧師も言っていることなのです」と、人々の弱い部分をついて、信頼を勝ち取ろうと粉骨細心する。

サタンの知恵は、我々の力の及ぶようなものではない。彼は、人間をおとすコツを何千年もの経験によってわきまえている。

だから、我々は、自分の知恵に頼ることはできないのだ。

我々は、神に頼る以外に、偽教師から逃れることはできないのだ。神に頼ってこのように告白しなければならない。「神様。わたしは愚か者です。すぐに間違った道に迷い込む者です。何が正しいか何が間違っているか判断することができません。どうか正しいものをわきまえることができるように知恵を与えてください。」と。

神の御前で平伏してこのように懇願する以外にはないのだ。

我々が謙遜になる時に、神は、聖書から、誰が正しい教師で、誰が偽の教師かを教えてくださるだろう。自分の知恵に頼らずに、聖書にある御言葉に依存することである。そうすれば、教師と偽教師の区別がつくだろう。

さて、聖書は、我々に、正しい教師と偽の教師の区別の方法を教えている。

それは、「実によって見分ける方法」である。

つまり、行いは悪いが、教えは正しいということは絶対にないということなのだ。

行いが悪ければ、教えも間違っているのだ。

偽教師が尻尾を現すのは、常に、行いにおいてである。

彼は、私生活において、人を騙したり、金に汚かったり、姦淫したり、人を中傷したり、平気でウソをついたり、人に害を加えてもその非を認めず逃げまわったり、人のものを盗んだり、家族を虐待したり、神学生をいじめたり、約束を平気で破ったり、悪い噂を故意に流したり、目下の人に対して傲慢だったり、正しい訴えを聞かず権力者や金持ちをえこひいきしたりしていないだろうか。

もしそうなら、その人は偽教師である。人格と教えは区別すべきだというのは、ウソである。人品が卑しければ、教えも卑しいのだ。

偽教師は追い出すか、そこから逃げるかしかない。彼は、あなたの利益など気にかけていない。むしろ、あなたを滅ぼそうとしているのだ。

もし、彼を放っておけば、彼は、あなたも、あなたの周りの人々をも食って、滅びに導くだろう。教会はいずれ滅茶苦茶になるだろう。

偽教師にあわれみは禁物である。彼があなたに対して優しくふるまっても信用してはならない。彼が、あなた以外の人にどのように接しているかよく観察しなさい。自分の利益にならない人間に冷たく当たっていないかどうか調べなさい。彼は、あなたを兄弟として無私の愛で愛しているかどうか、むしろ、彼は、あなたの立場を利用して、自分を売り込もうとしているのではないか、疑いなさい。