福祉を国家に頼るな
少子化の問題が叫ばれている。
子供を生む数が減少し、このままでは、労働力が不足し、日本の活力は失われることになるという。
そこで、政府の諮問機関が、少子化の原因は、子供を持つ家庭を受け入れる体制が整っていないからだ。保育施設、育児休暇の充実を、と言っているが、これまでと同様に、さらなる福祉政策は、いかなる効果をも生み出さないだろう。
なぜならば、政府主導の福祉を進めれば、それだけ税金がかかるからだ。税金が増えれば、ますます子供を持つことが難しくなり、少子化が進む。
ゆとりを奪っている真の原因は、福祉が足りないからではなく、福祉がありすぎるからではないだろうか?
福祉を充実させれば、施設や人件費がかかる。ますます、公務員が増える。公務員が悪いというわけではない。公務員とは、会社で言えば、業務部なのだ。もちろん、業務部の人々の給料を稼ぐのは、営業部である。会社において業務部の人員が増えれば、それだけ営業部に負担がかかる。営業部はなんとか業務の人々を養うためにさらに業績を伸ばさねばならない。
業務部に属する人員が増えすぎると、会社の経営は危うくなる。
公務員を支えているのは、民間企業からの税金である。
福祉の充実を訴えれば、票につながるというので、各政党は福祉には手を触れたがらない。政府が福祉の費用を減らすと、野党は「弱者切り捨てだ」と叫ぶ。
しかし、我々は、今立ち止まって考えてみよう。
政府が福祉を充実させるには、財源が必要である。では、その財源はどこにあるのだろうか。もちろん、税金である。福祉を充実させればさせるほど、ますます多くの税金を取られるようになるのだ。
税金を取られれば、家計はますます圧迫される。圧迫されると、結局財布のひもはますます締まり、景気はますます悪くなる。景気が悪くなれば、仕事も減って、教育にお金を回すことができなくなる。教育にお金を回せないとわかれば、夫婦はますます子供を生まなくなる。
お分かりだろうか。税金は、再生産に回されるよりも、むしろ、維持のために使われるほうが圧倒的に多いのだ。会社で言えば、営業資金に向けられるよりも、業務部のために使われるということだ。会社のビルや備品、玄関や壁にかかっている絵がどんなに立派でも、営業にお金が回らず、仕事を取ってくるところにお金がいかなければ会社は間違い無く傾くのだ。
しかも、国の業務部は、資金の有効利用という点においては、ほとんど無能であることが証明済みである。国鉄にしろ、電電公社にしろ、経営に成功したところがあるだろうか。
国家に福祉を依存することが結局は自分の首を絞め、少子化を進行させ、日本の未来をつぶしているということに国民は早く気づくべきである。
自分で歩こうとせず、誰かに背負ってもらっている人の足が弱くなるように、国に頼る国民は弱くなるのだ。
三菱自動車の新しいトップが外国人になった。日本人は、自分かわいさに、自力回復すらできない弱虫になりさがったのか?
02/03/27
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