911事件と CIA

 

田中宇氏の2003年3月27日付けのニュースレターに衝撃的な事実が記されていた(http://tanakanews.com/d0327wtc.htm)。概略をお伝えしよう。

FBIの調査により、911事件の実行犯であるモハメド・アタに実行資金を提供したのは、パキスタン軍の諜報機関であるISI(統合情報局)のマフムード・アーメド局長であったことが分かったと(この直後マフムードはムシャラフ大統領により解任された)、インドとパキスタンの新聞が伝えた。

パキスタンとアメリカは同盟国であり、ISIとCIAは密接な関係にある。ISIはパキスタンの国家の諸組織の中でも特に強力な組織であり、タイム誌の記事によると、ISIはパキスタンの「影の政府」「政府内政府」であるという。パキスタンでは、首相や大統領でさえISIが何をしているか、把握し切れていない部分がある。

それでは、CIAはこのISIの動きをつかみきれていなかったのか、という疑問が起こるが、多分そうではないと思われる事実がある。911事件が起きる前後、マフムード長官はワシントンにおり、アメリカの政権や議会の上層部の人々と会談していたからである。

パキスタンの「カラチ・ニュース」によると、マフムード長官は911事件が起きる一週間前の9月4日からワシントンを訪問し、CIAのテネット長官のほか、国防総省やホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)の要人たちと相次いで会合を持った。マフムードはこのころ、3カ月間に2回、ワシントンを訪問しており、それまでISI長官の訪米はめったになかっただけに、大きな緊急の課題があるのではないか、という憶測がパキスタンの新聞にも載った。
http://www.complete911timeline.org/2001/news091001.html

911の当日には、マフムード長官は、上院のボブ・グラハム議員ら米議会で諜報問題委員会のメンバーと、テロ対策について会合を持っていた。まさにそのとき、ハイジャックされた飛行機が次々と世界貿易センタービルに突っ込んだのだった。ニューヨークタイムスなどによると、マフムードとグラハムらは、2機目の旅客機が突っ込むまで、会合を続けていたという。
http://dir.salon.com/politics/feature/2001/09/14/human_spies/index.html

マフムード長官は911事件の後もワシントンに滞在し、9月12日から13日にかけて、パウエル国務長官やアーミテージ国務副長官らとも会ってからパキスタンに帰国した。アーミテージはCIA出身で、1980年代にISIがアフガニスタンのソ連軍と戦っていたムジャヘディン・ゲリラを支援していたころから、マフムードを含む多くのISI幹部らと親しい関係を持っていた
ことで知られている。
やはり、この事件にはCIAが関与していたとしか考えられない。

911事件とISIの関係を追求していたアメリカの新聞ウォールストリート・ジャーナルのダニエル・パールという記者が誘拐され殺害されたが、この時に、犯人として逮捕されたのが、マフムード長官から依頼されモハメド・アタに送金したサイード・シェイクであった。
http://www.pittsburghlive.com/x/tribune-review/opinion/datelinedc/s_20141.html

パール記者もサイード・シェイクも、もはや世間に出て事実を公表する機会はなくなったわけで、これで事件の真相はもみ消されたということなのだろうか。

 

 

03/03/27

 

 

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