これでも世界は良くなっているのか?

 

<ご質問>

後千年王国説は、この世界がこれから徐々に良くなって行くといいますが、現実に私たちの周りに起こっている悲惨な出来事を見ると、どうしても世界が良くなっているとは見えないのですが・・・。

 

<お答え>

たしかに、千年王国であると言われる今の時代においても、殺人事件や、暴力事件などが絶えませんので、「これでもキリストは王なのか?」と疑いたくなるのですが、しかし、かつての世界の現状を見るならば、現代は、古代や中世と比べて各段に良くなっていると考えることができます。

19世紀の半ばまで、奴隷売買は世界において普通に行われていました。世界中に迷信がはびこり、人身御供や残虐刑が一般的でした。戦争の捕虜に対する拷問や虐待は凄惨を極めました。1990年代においてユーゴなどで起こったジェノサイドは、世界の歴史の中ではそれほど稀なことではありません。

たしかに、20世紀は、他のどの世紀よりも多くの人々が戦争や飢餓、革命、大量殺戮によって死にましたが、これは、ヒューマニズムが神に逆らって築き上げた人間王国の末路、その罪の総決算であって、キリストの王国の失敗を表しているのではありません。レーニンやスターリン、毛沢東、ポルポトの大量虐殺の責任を神に押し付けることはできません。彼らは、神の首を切って人間だけの楽園を築き上げようとした結果、逆に無数の無実の人々のいのちを奪ったのです。

キリスト教文明が世界に伝わったところでは、次第に人々は迷信から解放され、奇習や悪魔的な儀式が消えていきました。医療の発達によって人々の寿命は延びており、科学技術の進歩によって人々の生活は飛躍的に向上しました。教育が普及し、世界において識字率は各段にアップしました。

もちろん、世界において飢餓や戦争がまだ起こっていることは事実です。しかし、総合的に見れば、人々を束縛する迷信や奇習や因習などに染まったサタン的な文化は、世界から消滅しつつあるという傾向を否定できません。

 

 

 

 




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