ホームスクーリングと楽観的終末論

 

カルケドンにしばしば投稿しているダグ・フィリップが来日している。

ホームスクーリングについて講演するためである。

主催者のチア・ニッポンのリーダーの稲葉寛夫氏は、私の以前の教会の教会員であった。

彼はNHKに入り、三浦綾子さんと、森本春子師の山谷の教会をルポしたすぐれた番組をプロデュースした。

その後、退職して、アメリカの神学校に入り、しばらく中川師のPTLのテレビ番組作りに参加した。

現在は、ホームスクーリング活動を行っている。

彼は、以前、キャンパスクルセードのメンバーで、一生懸命伝道していた。

キャンパスは、残念ながら前千年王国説である。

しかし、現在、ホームスクーリングをやっているからには、後千年王国説に近い立場になっていることは確かだ。

 

ホームスクーリング運動は、後千年王国説でなければほとんど意味がない。なぜならば、もし、家庭で教育したとしても、教育の内容が、前千年王国説であり、「クリスチャンが聖書に基づいて世界を支配する」という目標を持っていなければ、クリスチャン文化の長期的な発展は望めないからである。

 

いかなる運動でもそうであるが、この地上世界において勝利するという信仰がなければ、この地上世界において勝利できない。

 

あたり前のことだ。

 

前千年王国説は、この地上世界で我々が勝利する必要はないと説く。

再臨のキリストが全部やってくれるからである。

 

ということになれば、当然のことながら、クリスチャンは、ただひたすらキリストの再臨を待望することになる。目前の悪を見ても、「ほら、終末が近い証拠だ。」というだけで、「悪と戦おう」などと言わない。

 

前千年王国説はクリスチャンから骨を抜く。

 

しかし、後千年王国説は、クリスチャンはこの世界において勝利しなければならないと説く。

 

だから、ホームスクーリングの目標は、世界を獲得する子ども達を育てること以外ではない。

 

もし、教育が正しくて、子ども達が生産的な市民になるように、学業においても、しつけにおいてもきちんと指導されるならば、非常に有能なクリスチャン戦士になることは可能なのだ。

 

しかし、自分の子どもを、非クリスチャンの教育者に任せるならば、彼らは、「世界は偶然にできた。歴史に目的はない。人間は環境に対して癌細胞のような存在である。」という虚無的なことを教えるだろう。

 

そうすると、クリスチャンの子弟は、未来志向の明るい子どもではなく、世の中を斜にかまえて見るニヒリストになる。今日のアメリカの大人のクリスチャンがニヒリストであることから見ても、公的ヒューマニズム教育がいかに、キリスト教にとって有害であるか分かる。

 

ホームスクーリングの教育は、未来志向、勝利志向でなければならない。「我々は勝利できる。世界を神のために作りかえることができる。聖書律法を適用することによって、社会には自由と繁栄が広がり、世界は神に祝福されて素晴らしい未来が生まれる。」と教えるならば、子どもたちから笑顔が消えることはないだろう。

 

今日、ヒューマニズム教育を受けた子どもたちは、元気を失って、まるで病人のように覇気がない。

 

我々の周りに、昔のような元気な子どもたちがいるだろうか。目がキラキラ輝いている子ども達を見るだろうか。

 

ローマ帝国の末期に、「ああ!世界は終わらない!」というプラカードを掲げて歩き回っていた人がいたという。

 

ローマ帝国の崩壊寸前の時代は、快楽のはての倦怠と無気力の時代であった。

 

進化論と悲観主義終末論のために、クリスチャンは、虚無主義に陥っている。虚無主義に落とし入れるのは常にサタンである。サタンのウソに我々はまんまと騙されてしまった。

 

もう一度、我々は、聖書が教える楽観主義に立たねばならない。楽観主義を確立するための大きな手段は、ホームスクーリングなのだ。

 

 

 

 




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