万物は、神が人間に支配されるために与えられたものです。神は人間と契約を結んで、これを支配せよと述べました。ですから、万物は契約の枠組みの中でしか解釈してはならない。

　しかし、ヒューマニズムは、万物を神と人間の契約の文脈の下に理解することなく、「偶然に自立的に成立した世界」を前提にして理解します。「宇宙が自立的に成立したのであるから、人間は、その宇宙の中において、善悪を自由に定義することができる」というのがヒューマニズムの基本的な考えです。

　そのため、ヒューマニズムの教育を受けた子供たちは、「人間は猿から進化したものであるから、絶対的な道徳や規範は存在しない。」と信じています。このような思想からは、自由恋愛、中絶堕胎、安楽死、ホモ、革命・・・、犯罪などに溢れる社会が生まれるのは当然であり、人間と人間との間に、「義と愛を基調とする関係」は生じません。すべて社会は、欲の発散と利害調整の場でしかないということになり、当然、人が見ていなければ何をやってもよい、人を騙して金儲けをしてもいい、という退廃的な社会になり、人生から意味とか喜びは喪失します。今日、人々が金儲けに走って、虚無的な生活を送り、みなエゴイストになっているのは、ヒューマニズム教育の当然の果実です。

　現代社会を批評する人々は多いですが、その社会の根本に横たわる偽の宗教＝ヒューマニズムを攻撃する人々はまれです。

　クリスチャンは、現代社会の問題の本質「神の法対ヒューマニズム」を指摘することができます。指摘するだけではなく、解決の道を提示できます。クリスチャンは、人類が悔い改めて、自分勝手な道を歩むことをやめて、すべて神の規範に立ち帰るべきであると主張することができます。

つまり、全世界の国民をキリストの弟子とせよ、とのキリストの命令の実行だけが唯一の解決であると唱えることができるのはクリスチャンだけです。