婚前交渉は罪か?

 

Q.

たいへん詳しいご説明ありがとうございます。

婚前交渉が「淫行」であるということを示すために上の聖句はよく使われますが、婚前交渉をしている者は相手を売春婦(夫)であると考えているわけではないと思います。それでもなお婚前交渉は不道徳であると新約の時代においても考えられるのでしょうか?

A.

そうです。

相手を売春婦(夫)と考えるかどうかにかかわらず、婚外交渉はすべて「淫行」であることは、聖書律法から明らかです。

「もし、人が妻をめとり、彼女のところにはいり、彼女をきらい、口実を構え、悪口を言いふらし、「私はこの女をめとって、近づいたが、処女のしるしを見なかった。」と言う場合、その女の父と母は、その女の処女のしるしを取り、門のところにいる町の長老たちのもとにそれを持って行きなさい。その女の父は長老たちに、「私は娘をこの人に、妻として与えましたが、この人は娘をきらいました。ご覧ください。彼は口実を構えて、『あなたの娘に処女のしるしを見なかった。』と言いました。しかし、これが私の娘の処女のしるしです。」と言い、町の長老たちの前にその着物をひろげなさい。その町の長老たちは、この男を捕えて、むち打ちにし、銀百シェケルの罰金を科し、これをその女の父に与えなければならない。彼がイスラエルのひとりの処女の悪口を言いふらしたからである。彼女はその男の妻としてとどまり、その男は一生、その女を離縁することはできない。しかし、もしこのことが真実であり、その女の処女のしるしが見つからない場合は、その女を父の家の入口のところに連れ出し、その女の町の人々は石で彼女を打たなければならない。彼女は死ななければならない。その女は父の家で淫行をして、イスラエルの中で恥辱になる事をしたからである。あなたがたのうちから悪を除き去りなさい。」(申命記 22:13-21

ここで、「しかし、もしこのことが真実であり、その女の処女のしるしが見つからない場合は、その女を父の家の入口のところに連れ出し、その女の町の人々は石で彼女を打たなければならない。彼女は死ななければならない。その女は父の家で淫行をして、イスラエルの中で恥辱になる事をしたからである。」とありますので、婚前交渉の最高刑が死刑であることは明らかです。

しかし、もし、婚前交渉の後に両者が結婚するならば、罪にはなりません。

新郎は花嫁料を払って、女性を必ず娶らねばなりません。女性の父が結婚させたくないといった場合は、花嫁料と同額の金銭を与えて離れなければなりません。

「まだ婚約していない処女をいざない、彼女と寝た場合は、その人は必ず花嫁料を払って、彼女を自分の妻としなければならない。もし、その父が彼女をその人に与えることを堅く拒むなら、その人は処女のために定められた花嫁料に相当する銀を支払わなければならない。」(出エジプト22:16-17

申命記22章の場合、女性が死に値する罪となったのは、婚前交渉の事実を隠して自分が処女であると主張していたからです。結婚前であれ結婚後であれ、婚外交渉は結婚の契約に対する違反であるため、死刑に値します。家庭は社会の基本単位であり土台ですから、性は、社会の安定と発展を左右する重大な問題です。そのため、違法な性関係は死刑に値すると聖書は教えています(*)。

今日の日本のように、結婚とセックスとの一対一関係が崩れている社会は、早晩崩壊します。社会学者ツィンマーマンの研究によれば、婚前交渉と社会的進歩には相関関係があります。事実、アメリカの黒人社会のように、未婚の母がほとんどであり、家庭がほとんど崩壊しているような社会に進歩や発展を期待することはできません。むしろ、そのような社会には犯罪と無知と堕落がはびこります。

人間の正常な精神は、婚外交渉を嫌います。婚外交渉を罪ではないと言う人は、意地を張っているか、それとも、そうとうその罪にはまってしまって、道徳の感覚が麻痺している人です。

日本は、クリスマスに一夜をともにする相手がいないことを恥じるような異常な社会になってしまいました。ソドムとゴモラのような異常な光景を目の当たりにして、クリスチャンの精神も異常になりつつあります。しかし、我々は、堅く聖書の基準に立って、婚外交渉は罪であるとはっきりと認識し、それを兄弟姉妹やノンクリスチャンにはっきりと伝えていかねばならないと思います。

(*)婚外交渉が死刑であるというのは、「最高刑」が死刑であるという意味です。聖書では、刑罰は被害を受けた相手が決定できるので、最高刑を選ぶか、それよりも小さな刑罰を選ぶか、もしくは無罪放免にするかは相手にかかっています。マリアの妊娠を知った「義人」ヨセフが「内密に去らせようとした」ように、相手が姦淫を犯したことが明らかになっても、必ずしも公的に告発して死刑にしなければならない、とは聖書は述べていません。

 

 

01/12/09

 

 

 

 




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