終末を告げる預言者の正体を見極めよ!

 

奥山氏が、『世の終わりが来る!』という本を出した。
奥山氏は、御存知のように、私とハーザー誌で誌上討論した人物である。
「はじめに」において、氏は次のように語っている。

「9月11日早朝、アメリカが誇るニューヨークの世界貿易センターが、イスラム原理主義者と思われるテロリストによって、二つとも崩壊しました。そして生々しい惨状が、テレビというメディアによって全世界の茶の間に飛び込んできたのです。つまり全世界が見たのです。全世界が息を呑みました。そしてこの大事件は、多くの人々に終末の序曲を感じさせました。(中略)地球環境も日に日に荒廃し、毎年日本の国土とほぼ同じ大きさの森林が失われて行っています。どの国も異常気象を毎年体験しています。破局的終末の秒読みは始まっているのではないでしょうか。しかし実は、聖書は明確にそのことを預言しているのです。主イエスご自身も、『この天地は滅び去る』(マタイ24・35)と、言われたではありませんか。では、どうすればよいのでしょう。それも聖書は明らかにしているのです。それを終末の書『ヨハネの黙示録』から学んでいただきたいと思います。」
旧約時代において、神の御言葉を預った預言者たちは、その預言が外れた場合に、偽預言者として処刑された。神の民は、「神の名によって偽の教えを伝える者」に対して厳罰に処すように、神によって命じられていた。

さて、それでは、奥山氏の場合、もし預言されたのと異なる結果が出た場合に自らどのように責任を取るのだろうか。すなわち、もし、氏が言われたように、終末が実際に近くなかった場合に、教会は氏に対してどのように責任を追及するのだろうか。それとも、教会は、氏に対して「愛」による許しを与えるのだろうか。

昨年のテロが本当に終末の序曲ではなく、現在の地球環境の変化が終末の前兆でなく、これから何十年も終末が来なかった場合に、氏はどのような責任を取るのだろうか。

教会は、これまで180年もの間、前千年王国論者の同様の預言に対して「愛による赦し」を与えてきた。神の民は、「終末が近い!」と叫ぶこれらの「外れた預言」によって心を騒がせ、現実社会への働きかけをやめ、長期計画を立てることを放棄してきた。

これらの教師の教えを信じ、近未来における終末の到来を真に受けた真面目な若者たちは、地道な職業訓練や家庭形成や子弟教育に本腰を入れることに失敗してきた。

彼らは、これらの兄弟姉妹の人生に対してどのような責任を取るのだろうか。それとも、「これはあくまでも憶測であって、断言ではないから、真に受けて欲しくなかった」というだろうか。

実際の場合、このような追及を前にしてほとんどの教師は沈黙する。実質的に1980年代に携挙が起こると述べたハル・リンゼイは、現在、責任を問う人々の追及を無視しつづけている。自分の預言が外れたことによって、真面目な若いクリスチャンの人生が狂い、ノンクリスチャンに嘲笑の機会を与えたということに負い目を感じている様子はまるでなく、数千万部を売り上げた自著からの巨額の印税をもとに、3番目の妻と安閑とした日々を送っている。

さらに、これらの終末を告げる現代の「預言者」たちの背景を調べると、驚愕すべき事実とともに、彼らの無責任な体質が浮かび上がってくる。

リンゼイは、『地球最後の日』の中で、終末におけるカトリックとプロテスタントの連合を非難し、諸宗教の融合を説くエキュメニカル運動に警鐘を鳴らしていた。しかし、アンティパス・ミニストリーズ主幹S・R・シアラーの「福音主義者と統一協会の連合」等(http://www.endtimesnetwork.com/oldnews/oalli.html)によれば、リンゼイは、『レフト・ビハインド』の著者ティム・ラヘイとともに、統一教会の文鮮明が財政支援する宗教自由連盟(Coalition for Religious Freedom)の理事として活動していたという。

また、さらに驚くべきことだが、『マザー・ジョーンズ・マガジン』誌(1985年)のキャロリン・ウィーヴァーの報道によると、ラヘイは、文鮮明の右腕である朴普煕から(一説によると50万ドルと言われる)献金を受け取った。

シアラーは次のように述べている。
「ウィーヴァーはこの記事の情報源を、ビバリー・ラヘイ[訳者:夫人]のアシスタントから偶然受け取ったカセットテープとしている。これは、ラヘイが秘書にタイプさせるために残した、朴普煕への献金感謝状の口述テープである。キリスト教界の著名人である我々の友人がこの記事を読んだ後でラヘイに電話し、事実を確認しようとしたが、彼は金銭の授受の事実について一切触れずに、『マザー・ジョーンズ・マガジン』誌のことを「左翼の三文新聞」と呼んで非難した。この友人が『私にとって、その情報源が何であろうと関係ない。それが共産主義新聞のプラウダであろうとイズベスチアであろうとどうでもよいことだ。私が確認したいのは、あなたが実際に金を受け取ったのか、受け取らなかったのか、ということだけだ。』と言うと、彼は怒って電話を切ってしまった。その後もラヘイが文鮮明の組織の理事として関係を持ちつづけている以上、キャロリン・ウィーヴァーの発言は信憑性を失っていないし、テープの声の主がラヘイであることはほとんど疑う余地がない。」
http://www.endtimesnetwork.com/oldnews/oalli.html
http://www.iclnet.org/pub/resources/text/cri/cri-jrnl/web/crj0092a.html
http://www.rapidnet.com/~jbeard/bdm/exposes/lahaye/general.htm

現在、統一教会は、勝共連合の米国版 アメリカ社会統一協会連合(CAUSA)を通じてアメリカの福音主義者や根本主義者たちを宗教的連合の中に組み入れるために積極的に活動している(クリスチャニティ・トゥデイ誌1985年6月14日号『文鮮明の追随者たちは共産主義に対して共闘するクリスチャンをリクルートしている』)。あれだけエキュメニカル運動を批判していた前千年王国切迫再臨論者が、統一教会というエキュメニズムの権化と手を組み、財政支援を受けていたというのは何というスキャンダルなのだろう!

我々は、切迫終末論を唱えるこれらの「預言者」の正体を見極め、一日も早くこの謬説から脱却しなければならない。
主は私に言われた。「…わたしは彼らの同胞のうちから、彼らのためにあなたのようなひとりの預言者を起こそう。わたしは彼の口にわたしのことばを授けよう。彼は、わたしが命じることをみな、彼らに告げる。
わたしの名によって彼が告げるわたしのことばに聞き従わない者があれば、わたしが彼に責任を問う。
ただし、わたしが告げよと命じていないことを、不遜にもわたしの名によって告げたり、あるいは、ほかの神々の名によって告げたりする預言者があるなら、その預言者は死ななければならない。」
あなたが心の中で、「私たちは、主が言われたのでないことばを、どうして見分けることができようか。」と言うような場合は、預言者が主の名によって語っても、そのことが起こらず、実現しないなら、それは主が語られたことばではない。その預言者が不遜にもそれを語った。彼を恐れてはならない。」(申命記18・15-22)

にせ預言者たちに気をつけなさい。彼らは羊のなりをしてやって来るが、うちは貪欲な狼です。
あなたがたは、実によって彼らを見分けることができます。ぶどうは、いばらからは取れないし、いちじくは、あざみから取れるわけがないでしょう。
同様に、良い木はみな良い実を結ぶが、悪い木は悪い実を結びます。
良い木が悪い実をならせることはできないし、また、悪い木が良い実をならせることもできません。
良い実を結ばない木は、みな切り倒されて、火に投げ込まれます。
こういうわけで、あなたがたは、実によって彼らを見分けることができるのです。(マタイ7・15-20)

 

終末を告げる預言者の正体を見極めよ! 2

02/08/09

 

 

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