愛の統治
「キリストの支配は、すべての敵をその足の下に置くまで、と定められているからです。最後の敵である死も滅ぼされます。『彼は万物をその足の下に従わせた。』からです。」(1コリ15・25-27)
「キリストの支配は、すべての敵をその足の下に置くまで」徹底しています。一つとして、キリストの支配下に入らないものはありません。アメリカであれ、日本であれ、韓国であれ、北朝鮮であれ、ロシアであれ、あらゆる国々はキリストの支配下に置かれます。それは、キリストが万物の支配者、宇宙の王だからです。主権者は、自分の主権の下にあるものを完全に掌中に収めようとします。例えば、日本の警察や自衛隊は、日本国内において日本政府に従わない部分があれば、そこが完全に従うようになるまで徹底して戦います。
キリストは、ご自分の領土であるこの宇宙の隅々にいたるまで完全に支配すべく戦っておられるのです。この歴史は、キリストがその主権をあらゆる領域にまで及ぼすための舞台です。キリストに最後まで抵抗する敵は、死です。この歴史の終わりには死までもが滅ぼされるのです。
戦うとか、占領するとか言うと、何か専制的・暴力的にキリストが支配するように思われるかもしれませんが、そういうわけではありません。
キリストの支配の方法は、「愛」です。
キリストの支配の拡大は、愛の世界的拡大です。
愛とは、具体的に統治の面で言えば、「自由意志」を尊重するということです。
キリストは、無理やり人をクリスチャンにはしません。クリスチャンになる人は、キリストを信じることをすすんで受け入れるのです。
本当の愛とは、自分の思い通りに動かすことではなく、相手にとってもっともよいことを相手がすすんで受け入れるように勧めることです。そして、困ったときには、支えることです。このような「Low Control and High Support」の原理によって行われるのが、「愛の統治」なのです。
神は、全世界の人々がキリストの支配の下にすすんで入ってくれることを願っておられます。それゆえ、キリストの御国の拡大は、けっして「強制」によるのではなく、「勧め」による以外ないのです。
一人が一人に福音を伝えて、救いに導くこと以外に、神の支配拡大の方法はありません。クリスチャンが全世界に増えることによって、世界のあらゆる部分が神に対して敵対的ではなくなります。政治、経済、教育、芸術、家庭…あらゆる人間の営みが、神と和解し、復活します。
歴史を通じて、世界は復活していき、ついには、死すらもが滅ぼされて、完全な「生命の国」が到来します。キリストを自分の主として認め、彼の十字架の刑罰が自分の罪のためであると信じるならば、あなたも永遠の生命の国において幸福と祝福を受け続けることができます。