中間生物の証拠がない!

 

 ダーウィン以来140年、世界中の博物館には、これまで数千万個の化石が保存されている。種別に数えれば、約25万種類の生物化石が、すべての地質年代の地層から発掘されている。しかも実際には、過去の全生物種は少なくともその10倍の、250万種類は存在したのではないかと考えられている。

 全種類の1割も化石が見つかりながら、その中にただの一例も中間生物が見つからない。

 よく始祖鳥などが中間動物として挙げられ、教科書にも載っているのだが、専門家はそれを否定しているという。

 始祖鳥が生きていたと思われるジュラ紀後期よりもさらに8000万年も古い2億2500万年前の三畳紀層から、2体のカラス大の鳥の化石が発見されたことが「ネイチャー」や「サイエンス」など専門各誌に報告された。なにしろ恐竜の出現年代と同時期なのに、まったく現代の鳥と変わらない化石だったからである。

 アウストラロピテクスにしても、解剖学的分析が進んだ結果、1970年代にはもう進化論陣営の仲間うちで、ソリー・ザッカーマン卿とリチャード・オクスナードという、イギリスの高名な学者コンビから、「直立歩行はできなかった。類人猿とヒトとの中間生物とはとてもいえない」とはっきり否定されてしまった。

 ネアンデルタール人は、石器だけではなく衣服を作り、死者を悼む埋葬と献花の風習まで持っていたことを示す、文化的遺物が近年相次いで発見され、彼らが、クロマニヨン人に劣らぬ文化を持っていたことが明らかになった。

 中間生物の化石が発見されないことは、進化論の決定的な弱みである。なぜならば、実証性が欠けているからである。

 このことは、当の進化論学者たちですらはっきり認めている。ハーバード大学の地質・生物・科学史教授で、現代の進化論科学界きっての反創造論の論客であるスティーヴン・J・グールド博士は、次のように述べてすっかり兜を脱いでいる。

 「新しい形態学的デザインの起源に関しては、化石の記録はまったく頭にくるほど情報を提供してくれない。通常、より高次の分類群が、明確な先行生物や発端段階もないまま、いきなり化石として出現するのだ」(『個体発生と系統発生』1977年)

 生物の系統分類学に従えば、動物も植物も門、綱、目、科、属、種と段階的に細かく分かれていき、総体的にはピラミッド型の系統樹を構成している。そのどの分類群にも、上下方向にせよ水平方向にせよ、間をつなぐ過渡期的な中間形態の生物が、いくら血眼になって探しても化石として見つからないというのは、どう見てもおかしいではないか。

 化石は明らかに進化がなかったことを示している。

 段階的に進化が進んだと主張するのであれば、その段階段階の物証を提出しなければならない。足がヒレになりかかっているクジラ、翼がはえかかっているトカゲ、恐竜になりかかっている鳥などがどうして現われないのか。数千万個も出土したのであれば、一つくらいそのようなものがあってもよいではないか。それなのに、何故か、一つも中間種の化石がない。

証拠が一つも出ない場合、容疑者は釈放され、事件は迷宮入りし、時効にでもなれば、捜査本部は解散する。進化論もそろそろ、解散の時期に来ているのではないだろうか。

 

 

 

 



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