アメリカを支配してきた勢力は反セオノミー、反ポスト・ミレである

 

ゲイリー・ノースの Political Polytheismなど様々な情報から総合して考えると、次のような推論が可能である。

現在、アメリカを支配する2つの勢力はどちらも反セオノミー、反ポスト・ミレである。

(1)ユダヤ系の金持ちたちは、ユダヤ人中心の地上王国を求めている。宗教的ユダヤ人の場合、これは、ユダヤ教のメシアが地上に来臨し、彼とユダヤ人を中心に全世界が統治されることを求める民族主義である。

しかし、ポスト・ミレのカルヴァン主義は、再臨のメシアによる地上統治というよりも、現在天において王座についているキリストと、それにつくクリスチャンによる超民族的地上統治を求める。

つまり、ユダヤ人が、「ユダヤ民族中心の世界」を作ろうとするのに対して、ポスト・ミレカルヴァン主義は、「聖書を信じ、それに従うクリスチャン中心の世界」を作ろうとしている(創世記1・28)。

タルムード・ユダヤ教の目的とフリー・メイソンの目的は「異邦人から旧約律法を遠ざけ、それを社会に適用させない」という点で一致している。(*)

これら両者がなぜ異邦人に旧約律法を避けさせ、社会に適用させることを嫌うか、と言えば、それは、恐らく「異邦人が旧約律法を社会に適用し、それを守るようになれば、神に祝福され、強くなり、ユダヤ人の世界支配を妨害するから」だろう。

ポスト・ミレカルヴァン主義者は、特定の民族の覇権には関心がない。我々が求めているのは、主イエス・キリストの覇権であり、それがどの民族であれ、主の御心を地上において実現する者こそ覇権を持つべきである、と考える。


(2)スカル・アンド・ボーンズは、WASPによる世界支配を目指している。この中心にいるのは、カルヴァン派のジェームズ王をテロによって殺害しようとしたパース家の子孫ジョージ・ブッシュとその家族らである。

私は、人間を見るときに、血筋というものはある程度参考になると思う。もちろん、コラの家系のように、昔モーセに逆らってさばきを受けたが、後に詩篇を書くほどの信仰者が現われることもある。アッシリア人のように、かつてユダヤ人への懲らしめの道具として用いられたが、後にクリスチャンになったような民族もいる。主の祝福は、千代まで、とあるのに対して、呪いは3代4代まで、と第三戒にある。

だから、血筋を見て、ある家の人々を評価することには慎重でなければならないが、しかし、親が子に与える影響や、その遺伝的素質というものはけっして小さく見積もることはできない。現在、アメリカを実質的に支配し、操作している人々は、カルヴィニスト政権を打倒しようとしたカトリック教徒とタルムード・ユダヤ教徒の末裔であり、どちらもセオノミー(聖書律法)によるキリストの地上支配を妨害する家系である。(**)



(*)
1751年から1813年まで存在した「イギリスの旧グランドロッジ」の憲法Ahiman Rezon によれば、フリー・メイソンの入会の儀式において、入会者は「私は、まことのNoachideとして道徳法を守ります」と宣誓しなければならなかった(Ahiman Rezon Abridged and Digested(Philadelphia: Hall & Sellers, 1783), pp. 111-12, published for the Grand Lodge of Philadelphia; cited in Gary North, “Polytical Polytheism”(Tyler TX: ICE, 1989), p.478)。

このNoachideとは、「ノアの息子」という意味である(同脚注)。

このメイソンの造語は、中世ユダヤ教注解者ラビ・モーゼズ・ベン・マイモン(=マイモニデス)の著書の翻訳において、「ノアの異邦人の息子たち」という意味で使用されている。タルムードにおいて、「ノアの息子たち」すなわち、異邦人は旧約聖書とくに旧約律法を学ぶべきではなく、学ぶ者は死に値する、と言われる。
マイモニデスは「律法を学ぶ異邦人は死に値する。彼が専念すべきなのは、7つの律法だけである。」と述べた。ここにおいて、7つの律法とは、アダムに与えられた「偶像礼拝、冒涜、殺人、姦淫、略奪の禁止と、裁判制度の設立」という6つの律法と、ノアに与えられた「生きている動物の四肢を食べること」を意味する。異邦人は、この7つの律法を超えた事柄を研究してはならない、なぜならば、それはもっぱらユダヤ人に与えられたものだからである、と言う。

「ラビ・ヨハナンは言う。トーラーを学ぶ異邦人は死に値する。というのも『モーセは我々に律法を相続として与えた』と記されているからである。それは、我々の相続であって、彼らのではない。」(Moses Maimonides, The Book of Judges, Book 14 of The Code of Maimonides, 14 vols. (New Haven, Conneticut: Yale University Press, [1180] 1949), “Laws Concerning Kings and Wars,” X:9, p. 237. cited in “Political Polytheism”, p. 479.)

ユダヤ教においても、フリー・メイソンにおいても、異邦人が手に入れることができる法律とは、アダムからノアに至る時代――つまり、まだアブラハムが現われていない時代――において人々に与えられた普通法(common law)であり、アブラハム以降聖書が啓示している律法はもっぱらアブラハムの子孫ユダヤ人の資産であり、彼らにのみ属すると考えられている。(***)


(**)
ピューリタンの「セオノミーによるキリストの地上王国建設」の意図は、建国の際には、フリー・メイソンが支配する憲法会議によって挫かれた。クリスチャンが手にした憲法は、フリー・メイソンの憲法であった(憲法に書かれている神とは三位一体の神ではなく、メイソンのGREAT ARCHITECTであり、その倫理とはセオノミーではなく、自然法である)。

19世紀初頭にスカル・アンド・ボーンズが台頭してからは、ヘーゲル主義ユニバーサリズムがそれに代わった。彼らは、ヘーゲルの弁証法に従って、ある要素(正)に対立する要素(反)をぶつけて一時的に混乱を生み出し、その混乱を解決する中で、自分たちに都合のいい、さらに高いステージ(合)を作り出そうとする。世界に紛争を起こし、その紛争を解決する中で、アメリカの覇権を確立しようとしている。アメリカは、現在、冷戦に変わる対立構造として、アメリカ対イスラムという図式を作り出そうとしている。このような背後の意図を考慮しない限り、なぜアメリカが9・11のテロリストたちを米軍基地で訓練したか説明できない。

「イスラム勢力を巨大な敵に仕立てるのがアメリカの新戦略だとしたら、911事件でハイジャックした後の飛行機を操縦した実行犯が、米軍基地で操縦訓練を受けていたのも、意外なことではなくなる。」(田中宇、http://tanakanews.com/c1126saudi.htm)

ヒューマニズムによる人間王国の建設という、カント・ヘーゲルの野望は彼らによって成就されつつある。


(***)
マーガレット・ジェイコブの言葉を借りれば、「近代フリー・メイソンは、ニュートン科学のカルトとして始まった」(Margaret Jacob, The Radical Enlightenment: Pantheists, Freemasons and Republicans (London: George Allen & Unwin, 1981), p. 162. cited in “Political Polytheism”, p. 476)。ロンドンのフリー・メイソンは、ニュートン派科学者によって支配されていた。ニュートンが王立科学協会を主導していた1720年代に、会員の少なくとも25%がメイソンであった。メイソンのマークにコンパスと定規があるのは、メイソンが「セオノミーではなく、セオノミー以前に普遍的に人類に与えられていた知識、つまり、科学・数学的知識によって世界を支配する」という理念があるからである。これは、聖書の神による世界支配に対抗するサタン的覇権主義である。


おまけ:

恐らく、タルムード・ユダヤ教の千年王国主義者は、メイソンを利用して、異邦人に旧約律法を守らせず、それによって彼らを弱体化させようとしているのだろう。彼らは、自分たちだけは律法を持つことによって、神に祝福され、ユダヤ人中心の世界を求めているのだろう。

 

 

03/02/24

 

 

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