神は全能か?
神が全能ならば、神は自分を消滅させることもできるだろう、と言う人々の根本的な間違いは、「全能」という概念を神を基礎とせずに想定していることである。
神は全能か?という疑問はナンセンスである。
神の能力が全能なのだ。
なぜならば神は無から世界を創造されたからである。
神の前になんらかの世界が先在していたというなら話は別である。
しかし、もしそうなら、それは神ではない。
万物が神から出ており、空間も時間もあらゆる存在が神から出ているのであれば、ものごとを神を基準としないで定義することは無意味なのだ。
神は善か?という問いは無意味である。
それは、神の前に何らかの善悪の基準が存在することを前提としているからである。
1mを定義する原器(単位標準器)に向って「この原器は1mか?」と問いかけるのが無意味であるのと同じである。
神は存在するか?という問いも無意味である。
神こそが存在の根源だからである。