未開の部族は純朴か?
ひと昔前まで人肉食いをしていた部族があった。
彼らは文明人が忘れていた純朴さを備えていると考える歴史進化論者がいるが、人間の本質はどこにいっても変わらない。
むしろ、人肉を食い、文字を持たず、文明の利器を開発できなかったのは、ひとえに、あるべき人間の姿から堕落したからである。
神はアダムをピテカントロプスのような野蛮人として造ったのではなく、神の戒めを守る利発な文明人として造られた。
人間が、神の言葉を忘れ、自分の知恵に頼り、律法を破るようになると、社会は暴虐とねたみと猥雑に支配されるようになる。
人肉食いの社会は、神の形を失って堕落した文明の究極の姿なのだ。
未開の部族にロマンを求める者は畢竟裏切られる。