放送大学で細胞の進化の説明をしていた。

　ある時、葉緑体とかミトコンドリアが、細胞の中に取り込まれてより複雑な細胞が生まれたそうです。

　そこで私の脳裏には深刻な疑問がわき起こりました。

　「取り込まれただけでは、細胞は自分と同じ細胞を生み出すことはできないわけだから、遺伝子にその取り込んだ葉緑体とミトコンドリアを生み出すための変化が同時に起こっていなければならないわけだろう。それじゃあ、どうやって自分と同じものを複製するための遺伝子が獲得されたのだろうか。」

　葉緑体とミトコンドリアを含む細胞が生まれてその細胞が自分と同じものを複製することによって、細胞は新たな進化の段階を迎えたのだと説明するならば、遺伝子にその変化を反映するような変異が『偶然に』起こっていなければならないわけだ。

「20年前に牛丼を食べました。すると偶然ですが、私の遺伝子の中に牛の肩肉の遺伝子が追加されたのです。だから私の息子の肩は牛に似ているのです（どんな肩だろう？）。」と言うのとあまり変わりがないのでは、と考えた次第です。