世界の回復の働きは始まっている
ある意味において、再建主義の諸条件「前提主義、統治主義、神法主義、契約主義、後千年王国説」は、これまでのキリスト教が整理して述べていなかったことでした。ウェストミンスター信仰告白でも、「人生の目的は、神をとこしえに喜ぶこと・・・」というような抽象的なことでしかありませんでした。しかし、ヴァン・ティルが中立の領域を作らず、「『全世界を』キリスト礼拝の場と変えること」がクリスチャンの使命であると述べてから、その弟子達がこのような形の信仰にまとめるようになりました。
これまで律法について評価が定まらず、改革主義では尊重されていたものの、他の派では、無視もしくは敵視されるようになり、世界に向かってクリスチャンが律法を守ることの正当性を主張できなかったために、世界はやりたい放題のことをやるようになってしまいました。
この世界のリーダーであるクリスチャンが、「倫理」についてムニャムニャしていたので、世界から倫理について確固たる基準が喪失しました。そのために、世界が地獄に向かって転がり落ちるようになったのですが、それを食いとめるはずのクリスチャンが、再臨があって携挙があってこの住みにくい世界から脱出できると説いたので、歯止めが利かなくなってしまいました。
世界の堕落を食い止め、正しい世界観を教える責任(地の塩、世の光)をクリスチャンが放棄しているのが現在のキリスト教界の現状です。
ですから、この働きは、世界の再建の基礎を築く極めて重要な働きなのです。
クリスチャンに、世界のリーダー(キリストとともに天の所に座っている者)としての自覚を促し、具体的に世の中に対して働きかけるよう訴えることが現在焦眉の急の課題です。
神学的な基礎ができれば、後は、その原理を行動に移すクリスチャンを神が送ってくださいます。
ですから、私は、30代全部を再建主義の著作とヴァン・ティル、ドーイウェールト、世俗哲学の研究に捧げてきました。
奇妙なことに、世界の各国に私のような人間が起こされています。彼らの体験は私ときわめて似通っています。神は、世界の回復のために現在、着々と準備をすすめておられるのです。