霊の世界を切り捨てるな

 

 霊能者は存在する。

 霊の見分けができるクリスチャンもいる。

 クリスチャンはみな預言者として召されているので、大なり小なり預言の賜物を持っている。

 身近な例で言えば、聖書を読んでいて、あるときパッと真理を直観的に理解したり、人の何気ない仕草からその人の問題を察知したり・・・。何か危険が近づいていることがわかったり。

 牧師ならばだれでも、メッセージが終わった後に、「今日のメッセージは、本当に私の問題をズバリついていました。」と言われた経験を持っているだろう。

 私は、ちょうど教会の前を通りかかり、ふらっと入って礼拝に参加した人から、このことを言われたことがある。

 私の知人で、霊の影響を受けやすい「霊媒体質」の人がいる。

 彼女は、本人しか知らないことをよくズバッと言い当てて周囲の人を驚かせている。

 クリスチャンとして経験や訓練を積むと、次第に、霊的な世界との波長が合うようになる。霊の世界について精通していない人は、聖書を読んでもまったくつまらないだろう。母校の英文学の教授が、「バニヤンの天路歴程くらいつまらない書物はない。」と言っていた。もっともだと思う。あの書物はクリスチャンしかわからないことだらけだから。クリスチャンだけが経験する様々な誘惑や、試練、危険など、どうしてノンクリスチャンが理解できるだろうか。

 現象の世界だけで、霊的な世界を解釈することは不可能である。

カントの世界観を受け入れた人々は、霊の世界の問題もすべて物質の問題に還元してしまうので、そのような問題を持っている人々を真の意味で助けることはできない。悪霊に憑依された人の問題を精神医学で解決しようとしても無理である。

 

 



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