剣を取る者は剣によって滅びる


アメリカは、ネオコンが政権に対して強い影響を与えるようになってから、まったく別の国に変質した。

ネオコンは、力によって世界を変えることができると考える、帝国主義者である。

ネオコンの中心人物であるウィリアム・クリストルは、次のように述べている。

「アメリカの力は、アメリカの利益を守るためだけではなく、アメリカの原理を促進するためにも用いるべきである。」

そして、アメリカとイスラエルにとって有害な体制を打倒するために、積極的に他国を侵略すべきだ、と考えている。

「我々は、[テロリストたち]と対決し、他国の領土に侵攻しなければならなくなるだろう。」(リチャード・パール)

このような積極的な侵攻のためならば、国際協調を捨ててもいい、と考えている。

「しかし、国際秩序の規範はことごとく、その計画を邪魔している。それゆえ、大統領は、それらの規範に対する基本的な姿勢を改める必要がある。さもなくば、我々は、我々を助けてもくれないこの古い制度[伝統的な国際体制]によって手足を縛られ身動きが取れなくなるだろう。」(同)

「あたかも、ヨーロッパとアメリカが世界に対して見解を共有しており、同一の世界を占有しているかのように振舞うのをもう止めよう。」(ロバート・ケイガン)

彼らが目指している究極の改革は、イランの体制の打倒である。

「イラク戦争は、大きな戦争の中の一戦闘にすぎない。イランの体制を倒すことこそ、最も主要な課題である。なぜならば、イランは世界で最も危険なテロ国家だからだ。」(マイケル・レディーン)

「ブッシュ・ドクトリンの未来は――そして恐らく、ブッシュ大統領の再選と安全な世界の保証も――、第一に、テヘランとの対決に勝利できるかどうかにかかっている。」(ウィリアム・クリストル)

ブッシュ大統領は、彼らの意見に影響されている。

「合衆国大統領は、すべての問題に対して、ネオコンの考えに基づいて行動してきた。」(リチャード・パール)

このような邪悪な計画がある以上、クリスチャンは、「イラク人民が喜んでいるのだから、イラク侵攻は正しかった」などと言ってイラク戦争に賛同してはならない。

世界を力で変えられるほど、神様は甘くはない。

「剣を取る者は剣によって滅びる」

 

 

2004年1月17日

 

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