ワンネス神学(改訂版 2006/11/25)
> 初歩的質問で恐縮ですが、御教示よろしくお願い申し上げます。
> (1)三位一体論で「ワンネス」というのは、どのような解釈なのでしょうか。
> (2)サベリウス主義は異端の教義とのことですが、詳細を御教示ください。
> (特に「ワンネス」との違いについて
サベリウスの教えなど、「神は本質的に一体であるが、人間を扱うために異なる形態をとって現れた」とする異端的見解については、このような説明がよくされます。
「水は温度が上がれば水蒸気になり、下がれば氷になる。それと同じように、神は本質において一人であり、場合によって異なる形態として現れる」と。
もっと我々にとって身近なたとえは、仮面ライダーです。
普通の人間に対する場合には、普通の人間として現れ、ショッカーが現れると、変身して仮面ライダーになる。
「(サベリウス主義において、)同一の人格が、父でもあり、子でもあり、聖霊でもある。神は世と教会の中において、様々な関係の中でご自身を顕現されるが、父、子、御霊とは、そのような様々な関係を表現しているのである」(チャールズ・ホッジ)
これは、けっして三位一体論ではありません。三位一体論とは、「父、子、聖霊は、それぞれ別の人格であり、互いに会話し、働きかけあうことができる」とするものです。
もしサベリウス主義が正しいとすれば、イエスが父なる神に祈ったのは何だったのか?ということになります。
また、聖霊は、我々のためにとりなしをしてくださっているが、誰にとりなしているのか?ということになります。
聖書は明らかに、父なる神は子なる神を愛していると述べています。
「父は御子を愛しておられ、万物を御子の手にお渡しになった。 」(ヨハネ3・35)
ここにおいて、はっきりと父と御子は別の人格であることが表現されています。
今、ペンテコステ派において現れたワンネス神学は、この古い「サベリウス主義(モダリズム)」の焼き直しであり、異端と呼ぶことができます。
レットアス・リーズン・ミニストリーのマイク・オッペンハイマーによれば、ワンネス神学は、一人の神がおられ、イエス・キリストがその一人の神であられると信じます。申命記6・4から、「数字の1から離れるいかなる概念も拒絶」し
(http://www.letusreason.org/Onenes13.htm)、聖書が繰り返して主張している「三性(threeness)」を無視して、「単一性(oneness)」だけを強調します。
ワンネス神学に立つペンテコステ派のデイビッド・ベルナルドと、ワンネス神学弁証論者の一人は、はっきりと「モダリズムは、現代のワンネスの教理と同じものである。」(the Oneness of God p.318 )と述べています。
三位一体は、夫婦に似ています。夫婦は2人の別の存在ですが、契約によって一体化しています。人々がたくさんいても、契約を結んで法人として一人のように扱われる場合があります。神も3人おられますが、契約によって一人となっておられます。
神において「単一」も「複数」もどちらも究極であり、どちらかが優越しているということはありません。
もし、この「一」と「多」の究極的並立の原理がなければ、宇宙の秩序において、「一」か「多」かどちらかに価値を置く以外にはなくなり、人間社会において「秩序」と「自由」を並立させることはできません。
「一致」のみを究極の価値とするならば、「多様」は「一致」の下に位置付けられ、常に「一致」を目指すようプレッシャーをかけられます。このような価値観の下で生きる人々は、個性を殺すことを義務付けられることになります。
それに反して、「多様」のみを究極の価値とするならば、「一致」は「多様」の下に位置付けられ、常に「多様」を目指すようプレッシャーをかけられます。このような価値観の下で生きる人々は、一致とか秩序を破壊することを義務付けられることになります。
「三位一体」を捨てれば、当然のことながら、「神の属性は単一性だけである」とするサベリウス主義に陥るか、それとも、「神の属性は複数性だけである」とする多神教に陥る以外にはありません。第三の道はありません。
> (3)私の所属教会では、洗礼(浸礼)の際に牧師先生が、「父・御子・御霊、即
> ち主イエス・キリストの御名によって洗礼を授けます。」と言うことになっているの
> ですが、父・御子・御霊、「即ち」主イエス・キリストと言えるのでしょうか。
これは、明らかに間違っています。
おそらくワンネス神学の影響と思います。
キング・ジェームス訳聖書などマジョリティ・テキストに基づく翻訳では、
「天において証言者が三人います。すなわち、御父、ことば、そして、聖霊です。これら三つは一つです。」(1ヨハネ5・7)
とあり、「三人」の証言者を挙げているのです。
2004年2月28日
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