著名人の意見には注意が必要である
著名人が宗教について論評するとろくなことを言わないのは、宗教について無知だからである。
たとえば、ジョン・レノンは「天国も地獄もないと考えてごらん」と歌った。
ジョン・レノンは、音楽的天才であるが、思想についてはズブのシロウトである。
別の分野で功績をあげた人が他の分野についても言及することそのものは間違いではない。
しかし、一般に人間は、他の分野において業績をあげた人の発言を、専門分野を越えた部分でも信用する傾向があるので、彼らの発言を「受け取る側」には注意が必要なのである。
神学については素人の作家が、聖書講義をすると、多くの人が集まり、耳を傾ける。
彼(または彼女)の、異端的な解釈が、世間に広まって教会にまで誤謬がはびこることにつながっているのは非常に残念である。
作家は文章やストーリーについては専門家かもしれないが、聖書について、神学については、よほどの訓練を受けていない限り、一般の人々と変わりがない。
「旧約の神は怒りの神で、新約の神は愛の神だ」とTVの聖書講解で言った作家がいる。
日本で人気のある作家は、「夫が泥棒をしたら妻は見張りをしなければならない。それが服従ということだ。」と言った。
聖書のどこにそのようなことが書いてあるのだろう。
教会の門を叩く人々の中には、「○○の小説を読んで、キリスト教に触れたいと思いました」という人がいる。キリスト教の導入役として彼らはなにがしかの働きをしているとは思うが、しかし、彼らの考えが聖書に基づかないものである場合には、教会はそのような考えをそのまま入れてはならない。
牧師は、こういった思想が何に由来しているかをするどく見極めて異端の思想を門前で追い払わねばならない。
2004年3月13日
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