『福音と世界』(2003年12月号)栗林輝夫氏のエッセイ「宗教右翼は神国アメリカをめざす――統治の神学、キリスト教再建主義、セオノミー」への反論 その13

 


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 振り返ってみれば、共和党政策顧問で宗教右翼のポール・ウイリッチが、われわれの目標はアメリカのキリスト教化だ、政治の世界に福音を拡げることだと宣言したのが一九八〇年だった。それから二〇年余りがすぎた。その間、宗教右翼は着実に勢カを伸ばし、九〇年代半ばにして実に四十年振りに共和党を上下両院の多数派にし、その数年後には民主党選出の現職大統領を、十戒を楯にして姦淫罪で弾劾させるまでに成長した。そしてイラク戦争で愛国主義の鼓舞に成功した彼らは、新保守主義者(ネオコン)を通してホワイトハウスに強い影響力をもつにいたった。かれらは司法、立法、行政の三権を統治する見通しがようやくついたと考えているのだろうか。最強の軍事力を背景に単独主義(ユニラテラリズム)に傾くアメリカの外交と、テロ撲滅のためには先制攻撃も辞さないと公言する大統領。それを背後で支える宗教右翼の神学は、もはや傍観しえない「今、そこにある危機」になったように映るのである。

<T>

 ゲイリー・ノースは、イラク戦争に反対していた。
http://www.lewrockwell.com/north/north165.html
私も、このHPで戦争前からイラク戦争を強く批判していた。
http://www.path.ne.jp/~millnm/anticoalition.htm

それは、栗林氏も知っているはずである。なのに、どうして、再建主義があたかもイラク攻撃を後押ししているかのような印象を与える描き方をしたのだろうか?我々があたかも「先制攻撃も辞さない」、「軍事力を背景に単独主義」を唱えるパワー宗教を信じる大統領を支持しているかのような書き方ではないか?

このような中傷は、まじめな学問的な批判ではなく、読者を「反再建主義」に駆り立てようとする「アジテーション」である。こういった無法な批判が、「異端審問」「魔女狩り」「差別」「迫害」を生むのである。

我々は、恣意的に「デマ」を撒き散らす人間こそ危険視すべきである。

「そしてイラク戦争で愛国主義の鼓舞に成功した彼らは、新保守主義者(ネオコン)を通してホワイトハウスに強い影響力をもつにいたった。」

ネオコンは、私がHPにおいて繰り返し批判してきた人々である。

再建主義の誰かが、ネオコンを支持しているのを聞いたことがない。
また、「ネオコンを通してホワイトハウスに強い影響力を」持たせるべきだ、と言ったのを聞いたことがない。

栗林さん!

もし、あなたが本当に「まじめな」クリスチャン紳士であるならば、どこで私がネオコンや、力でごり押ししてイラク戦争を始めたブッシュ大統領を支持したか、言ってみてください。

 

 

2003年12月16日

 

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