>富井先生も言われたように、パーシャルプレテリズムとフル・プレテリズム
>のやり取りができる、また学べるＭＬは日本には他にはないでしょう。手前
>みそですが、本当はすごいことなんです！

たしかに、この議論は、クリスチャンの信仰の基本に関わることなのですごい議論だ
と思います。フルプレテリズムを受け入れることは、信仰を根こそぎ変えることを意
味します。私たちが、信仰の先輩たちから教えられてきたことを、根底から塗り替え
なければならないということを意味します。

たとえば、私たちは、「羊とヤギの審判」の個所を、「この世の終末において行われ
る最後の審判のこと」と教えられてきました。キリストが再臨されたときに、クリス
チャンとノンクリスチャンは、羊とヤギとを分けるように分けられ、クリスチャンは
天国に、ノンクリスチャンは地獄に落とされると。

しかし、フルプレテリスト（一部のパーシャルプレテリストも）は、これは、紀元70
年に起こったことだ、というのです。

私たちは、再臨は未来の出来事で、キリストは肉眼で見える形で将来再臨される、と
教えられてきました。しかし、フルプレテリストの立場にたつと、再臨はすでに紀元
70年に起こったのだ、というのです。そして、それゆえ、私たちが「天国は未来に
やってくる」と教えられてきたことは否定されます。「紀元70年以降の世界が天国な
のだ」というのです。

私たちは、千年王国は未来に起こる（前千年王国説）か、現在進展している（無千年
王国説と後千年王国説）と教えられてきました。しかし、フルプレテリストは、千年
王国は、キリストの復活から紀元70年までの間にあった過去の出来事だ、というので
す。

フルプレテリストの説を聞いて、なにをバカなことを！といわれるかもしれません。

しかし、フルプレテリストの立場は、聖書が述べている時代区別をきわめて明確に行
うので、ある意味において信じやすいのです。

聖書の「すべて」の預言が、紀元70年を目標にしているのだ、その以前を「旧い世
界」とし、それ以後を「新しい世界」としているのだ、そして、これ以外に「新しい
世界」はない、と明快に語ります。

これは、ある意味において恐ろしいことです。

教会のこれまでの信仰を根こそぎ変える革命的な教説であるといえます。



<P>
モーセの時代の下では、神の子らは結婚と誕生と教育によって生み出されま
した。新しい契約の下では、子どもたちは信仰によって生み出されます。「あな
たがたはみな、信仰によって神の子どもです。なぜなら、キリストにあるバプテ
スマを受けて、キリストをその身に着たのです。」そして教えられ、生まれます
（へブル８：６）。ローマ６章４節以降で、パウロはバプテスマにおけるキリストに
ともなる死、葬り、そして復活、神の子を生み出し、死からいのちに移る、信仰
による復活について語っています（コロサイ２：１１〜１３）。

<T>
モーセの時代は、「結婚と誕生と教育」による新生で、新しい契約の時代は、「信
仰」による新生の時代、という分け方はできません。
なぜならば、子供であっても、「割礼」を経ることなしには、新生できなかったから
です。
我々日本人は、両親が日本人である場合、生まれたときから日本人ですが、イスラエ
ル人は、生まれても、割礼を受けていなければ（ユダヤ人であっても、）イスラエル
人ではありません。ユダヤ人は民族的概念ですが、イスラエル人は、信仰的概念で
す。

生後割礼は、両親の「信仰」によって与えられたものです。
生後割礼を、信仰と無関係の自動的なものと考えるのは聖書的ではありません。
パウロは、「肉の割礼」はそのままでは無効だと述べています。割礼は、信仰の証で
あり、信仰がなければまったくむなしいものです。

プレストン牧師は、「旧約時代→血縁契約」「新約時代→信仰契約」という分け方を
しています。
しかし、旧約時代から「義人は信仰によって生きる」（ハバクク）という原則が一貫
してあったのであり、どちらも「信仰契約」の時代だったのです。

これは今日一般のクリスチャンが誤解している点なので、注意が必要です。

2003年07月24日