詐欺師の末路

 

というのは、私はしばしばあなたがたに言って来たし、今も涙をもって言うのですが、多くの人々がキリストの十字架の敵として歩んでいるからです。彼らの最後は滅びです。彼らの神は彼らの欲望であり、彼らの栄光は彼ら自身の恥なのです。彼らの思いは地上のことだけです。けれども、私たちの国籍は天にあります。そこから主イエス・キリストが救い主としておいでになるのを、私たちは待ち望んでいます。 (ピリピ3・18-20)

テレビで毎日のように詐欺事件が取り上げられている。
私は、騙す人間は、愚かだと思う。
人のちょっとしたミスを見つけて、それを脅しの道具に使って、金をもうけようとする人を見ると、なんて近視眼なのだろう、と驚きあきれる。
高島さんのように弁護士は、このような人々と渡り合っておられて大変な仕事だと思うし、また、弱者を守るキリストのような非常に貴い職業だと思う。

詐欺師は、自分が騙しているつもりでも、実は、もっと巧妙な存在によって、騙されているのである。
なぜならば、「彼らの思いは地上のことだけ」だから。
彼らは、霊的な世界のことが分からない。
この世がすべてだと思うから、どんなあくどい手を使ってもいいと考えている。
彼らが詐欺によって手にした富は、彼らを食い尽くしていく。
彼らは、それで栄光を手に入れたつもりかもしれないが、それは、彼らに大きな恥を被らせる。

「彼らの栄光は彼ら自身の恥なのです。」

あくどい手法を使っているうちに、自分の心はサタンに占領され、そのため、良い人間は遠ざかり、同じようなサタンの弟子たちが回りに集まってくる。

顔つきも変わって、栄光とはほど遠い顔になる。

心は捻じ曲がって、素直に人の幸せを望むことも、それを喜ぶこともできなくなってしまう。腐った泥が凝り固まるように、本当の自分の人間らしい心の回りに、邪悪で捻じ曲がった憎しみとねたみと敵意がへばりつき、美しいものを喜んだり、よい音楽や絵画を見て感動したり、素敵なストーリーを聞いて歓喜することもできなくなっていく。

悪人は、悪を犯すことによって、自らを破壊しているのである。

彼らはサタンによって操られて、自らを破壊し、そして、他人をも破壊していく。

悪人の特徴は、近視眼である。

近くにある目に見える物、高級車や高価な家や、ブランド物のバッグや靴などしか見えない。遠くにあるもの、目に見えない霊的な世界の価値がまったく見えない。

彼らは、偶像礼拝者である。

「彼らの神は彼らの欲望(原語では『腹』)であ」る。

彼らの目指しているのは、腹を満たすことだけである。

動物と同じである。

一生、物質的な富しか頭になく、人の不幸を利用して階段を懸命に上って、死ぬ間際になって気づくのである。

「あれ、俺って何をやってきたんだろう?」と。

そのとき、自分が、すっかり騙されていたことに気づくのである。

サタンは、最後の最後に本性を現してこう言うのである。

「よくも、ここまで騙されてついてきたもんだ。」と。

そして、こう言う。

「後は、おまえの好きにしろ。」

その時、慌ててもしょうがないのである。一生を無価値なものに振り回されてきたことに後悔しても遅いのだ。

自分の貴重な一度限りの人生を、つまらない金銭欲や権力欲、名誉欲を満足させるために浪費し、周りの人を不幸にし、自分も不幸になって、すべての人を不幸にするためにサタンに利用され、自分を失っていたことに気づいても遅いのだ。

あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ。わざわいの日が来ないうちに、また「何の喜びもない。」と言う年月が近づく前に。(伝道者12・1)


 

 

2003年07月10日

 

 ホーム

ツイート

 

millnm@path.ne.jp