雷がなると、「クワバラ、クワバラ」という。
このクワバラとは、「桑原」つまり、「桑畑」のことである。
中国の民間信仰では、桑畑に雷は落ちないという言い伝えがあり、そのもとになっているのが、扶桑神話である。
三神たける氏は次のようにいう。
中国神話では、東の海の果てに巨大な桑が2本生えており、これを扶桑と呼んでいる。われわれが見る太陽は、この扶桑を伝って、天空に昇っていく。いわば扶桑は太陽の象徴でもある。一方、雷は雷雨であり、晴天をもたらす太陽とは対極にある。いわば雷にとって、扶桑、すなわち桑は大敵なのである。ゆえに、桑畑だけには、落雷できないということらしい。
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ご存知のとおり、日本の異名は「扶桑」である。
つまり、中国神話において巨大な桑が2本生えている東の海の果ての国とは、日本なのである。
トケイヤー氏によれば、古代からシルクロードの絹貿易を独占していたのはユダヤ人であった。ユダヤ系日本人秦氏は、機織の機=ハタであるといわれるように、古来、養蚕業を生業としてきた殖産豪族である。秦氏が建て、三本柱鳥居がある木島坐天照御魂神社は、一般に、蚕の社と呼ばれており京都の「太秦」にある。
桑や蚕とユダヤとは切っても切れない関係にあるのだ(桑の異字体で、又は十と書く)。
ユダヤ思想において、2本の木と言われてすぐに思い出すのは、「生命の木」と「善悪の知識の木」である。ユダヤ教神秘思想カバラでは、奥義を「生命の樹」として表現し、その象徴図形には、ジグザグの雷光が描かれることもある。
この2本の桑の木は、エデンの園の中央にあった「生命の木」と「善悪の知識の木」を表しているのだろう。
つまり、この神話は、古代ユダヤ人が、日本をエデンの園と考えていたということを象徴しているのではないか。
こう考えると、ユダヤ人であったコロンブスやマルコ・ポーロが、日本を理想郷「黄金の国ジパング」と考えたことと符号してくるのである。
エデンの園は日本だった?
コロンブスと日本