世界を混沌に陥れている張本人

 

イスラエル政府は、聖書を根拠に、アブラハムに約束された土地を獲得しようと努めてきた。そのため、パレスチナ人はじめアラブ諸国との間に摩擦が生じて、今日にいたるまで悲惨な戦争とテロが繰り返されてきた。

すでにミレニアム通信において触れたように、このユダヤ人シオニストたちの聖書解釈は決定的に間違っている。アブラハム契約は、キリストにおいて成就したのである。

「私は、律法や預言者を…成就するために来たのである」(マタイ5・17)。

「律法や預言者」とは旧約聖書を意味する。キリストは、アブラハム契約を成就されたのである。

それゆえ、土地問題はキリストにおいて解決している。

このような聖書的解釈を認めないクリスチャンは、イスラエル政府によるパレスチナの土地占領を後押しして、紛争を巻き起こす手助けをしている。

『インターナショナル・ヘラルド・トリビューン』紙のJohn V. Whitbeckによると、パレスチナの土地を収用しようとしているアメリカ人は、次の3者であるという。

「占領を支持するアメリカ人は、

(1)強く待望されてきたハルマゲドンの戦いの後に個々人は「携挙」されると信じるキリスト教ファンダメンタリスト、

(2)イスラエルへの移住よりもアメリカでの豊かで快適な生活を楽しんでいることに罪悪感を感じているユダヤ人、

(3)これらの2つのグループの人々に対して不快感を与えないことによって、自分の職を守り、出世することにしか関心を持っていない政治家

である。」(What if America just quit the Middle East?Wednesday, October 1, 2003)

バルフォア宣言においてユダヤ人は、祖国復帰の約束を当時のパレスチナ統治者であるイギリス政府から得ていたので、イスラエル帰還は、合法的な行動であったが、その後の、領土拡張は、聖書にいかなる保証もないのであるし、その土地にはパレスチナ人が住んでいるため、侵略行為になる。

クリスチャンはこのような侵略を認めることはできない。

プレ・ミレの聖書解釈が、現実の世界に悪い影響を及ぼしているもう一つの例は、先日のイラク攻撃である。ネオコンのバックには、ユダヤ人シオニストがいて、イスラエル政府に敵対する国家を排除することを目指している。

そして、ファンダメンタリストでプレ・ミレのクリスチャンたちはこの戦争に賛成したのである。

このような点からみても、プレ・ミレと、イエスを殺したユダヤ教シオニストとが親戚関係にあることがよく分かるだろう。

どちらも、「力による覇権拡張主義者」である。

イエスが一貫して説かれたのは、「契約による覇権拡張主義」である。もし覇権を確立したいならば、「私が命じたすべてのことを守る」(マタイ28・18−20)以外にはない。

世界征服の方法は、力ではなく「倫理」である。

今日、世界を混沌に陥れている張本人は、「神によらない支配」であり、バベルの塔の精神なのである。


 

 

2003年10月03日

 

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