権威を否定しながら権威に認めてもらいたがる無神論者
学園ドラマでよく、生徒が先生に対して「テメ〜」とか言って、先生がその荒くれ生
徒たちを苦労しながら治めていく、というシーンがある。学生服を長くして、髪を
リーゼントにして、竹刀を持って歩き回る生徒もよく登場する。
このような生徒は甘えているのである。
学校の権威を認めたくないなら、退学すればよいのである。結局彼らは、卒業証書が
欲しいのである。既存の社会から認めてもらいたいわけである。
「既存の社会から認めてもらいたいが、逆らいたい」というのは、甘ちゃんの考える
ことである。
本物のワルは、既存の社会からのお墨付きなど必要としない。後先のことなど考えな
い。学校なんかはなから相手にしていない。一人で仕事をして自活するだろう。
無神論者の思想というのは、この甘ちゃん学生と似ている。
「神を否定しつつ、神に依存している」からである。
徹底して神を否定するならば、一切の宗教行事、宗教的思考から離れるべきである。
実際は、結婚式をキリスト教式でやり、お葬式を仏教式、初詣なんか行く「無神論
者」もいるくらいだ。
もし、無神論者を公言するなら、連続殺人犯みたいな極悪非道なことをやる人間を非
難できないはずだ。なぜならば、普遍的な道徳なぞ存在しないはずだから。宇宙が偶
然に成立し、そこに人格者の意図が一切含まれていなければ、どうして「道徳」があ
るのか。
結局、無神論者は、どこまで行っても、神から離れられないのだ。
2003年11月3 日
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