大義名分
(1)
イラク問題でフランスやロシアが非協力的なのは、イラク戦争そのものに反対しているのではなく、ブッシュのやり方が独善的だからだ。
「大量兵器があるから」という理由で戦争をやる、というから、「それじゃあ、調べましょう」ということになる。
「フセインが国民を虐殺しているから」という理由をつければ、証拠も簡単に入手できるし、反対する国はなかっただろう。
(2)
それにしても、イラク攻撃は、あまりにも手の内を見せすぎた。同時多発テロに続くアフガニスタンの対タリバン戦争の場合は、それなりの理由があって、反対する人も少なかったが、イラクに関しては、理由がはっきりとしていない。こんな理由があやふやな戦争に引きずり込まれるのはたまったものではない、という空気が国際社会に溢れていた。そういったもやもやをかかえたままで突撃すると、関係はやはりギクシャクするだろう。アメリカが一国だけで突っ走ることができるほど国際社会は甘くない。
(3)
もしイラクをやることに反対するならば、北朝鮮はどうなる?と聞かれれば、北朝鮮の政権を打倒するには、十分な理由がある。日本やら韓国やらから拉致された人々が何百人もいるなら、これはもう向こうが我々に宣戦布告しているようなものだ。人の国の領域を侵しているからだ。それに、北朝鮮が自国民に対して行っていることは、奴隷化であり、人間扱いしていないのだから、こういった悪い政権こそ転覆させるべきである。北朝鮮攻撃に反論する人はいないだろう。
2003年月日
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