聖書が示す福祉政策

 


聖書が示す福祉政策は、落穂拾いである。

農地で収穫後に地面におちた収穫物を拾い集めてはならない、という律法である。老人ややもめなどが、畑に入ってそれらを拾い集めることができるためである。

また、ひもじくなった人は、他人の畑の中に入って実を摘むことができた。しかし、籠を持って入ってはならず、手で取ることだけが許された。これは、泥棒とは見なされなかった。

これは私有財産の一部は、共同体の構成員の生存の権利を保障するために神が取り分けられた部分である、という思想から来ている。個人がその時点で必要とする分だけを、他人の畑から取ることができるならば、少なくとも飢えて死ぬ人はいなくなるはずだからである。

共同体の全員は、その構成員の中の任意の一人が最低でも生存できるだけの保障をしてあげなければならない。自分の収穫には、神の所有(十分の一)と共同体の中で必要を覚えている人々のための分とが含まれているのである。この部分を横領することは、呪いを意味する。


 

 

2003年10月25日

 

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