格差批判はターゲットを間違っている
小泉政権の5年間の失敗を批判する論調に、「格差社会の出現」が含まれているが、「格差社会」そのものを批判すると、社会主義に逆戻りであり、結局、失敗を繰り返すことになる。
格差社会を悪者にするということは、「努力した人も、努力しなかった人も等しく富を享受する」ことを肯定することであるから、どうしたって富者からの略奪は防げない。
非格差社会とは、最小公倍数で全員を満足させることであり、飛びぬけた才能や能力のある人々の創意工夫をつぶす社会である。
格差そのものを批判してはならないのだ。
現政権に関して批判すべきは、「増税」である。
「小さな政府」を目指すならば、増税は絶対にやってはならないことだ。
小さな政府は、歳出を削減する以外には成立しない。
財政再建は歳出削減だけでは不可能、とかなんとか言っているが、そもそも予算の組み方や、福祉国家の理念そのものが問題なのである。
日本のシステムは、財政が破綻する構造になっているのである。
そこにぜんぜんメスを入れることができなかったということが一番の問題なのである。
TVなどでさかんにコメンテーターが「まず無駄を省け」と言っているが、「国が福祉を担う」ということそのものに切り込む人がいない。
国に福祉を期待するマルクス主義の理念を捨てない限り、絶対に財政は健全化しない。
福祉を捨てずに小さな政府など絶対に不可能である。
2006年9月8日
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