ディスペンセーショナリズムの無律法主義が産む悲劇


22日のラブホテル落下死事件の主役、私が何度か訪れた教会の牧師だった。

彼の仲間の有名な伝道者は、「我々は律法の下にいない」「何をやっても救われる」と唱える人である。であるから当然、彼も同じことを主張していたのであろう。

聖書は「我々は律法の下にいない」などどこにおいても述べていない。

聖書が述べているのは、「律法の刑罰の下にいない」ということであって、「律法の基準の下にいない」とは言っていない。

もし「律法の基準の下にいない」ということになれば、「では、我々にとって基準とは何か」という問題になる。

律法の下にいない、と主張することによって、キリスト教はキリスト教ではなくなるのである。

それは、「アナキズム」である。「無政府主義」、混沌の教えである。

パウロは、はっきりと「姦淫を行う人間が神の国を相続することはあえりえない」と述べている。


あなたがたは、正しくない者は神の国を相続できないことを、知らないのですか。だまされてはいけません。不品行な者、偶像を礼拝する者、姦淫をする者、男娼となる者、男色をする者、盗む者、貪欲な者、酒に酔う者、そしる者、略奪する者はみな、神の国を相続することができません。(1コリント6・9-10)

今教会においてはやっている「何でも許される」「律法的になってはならない、あれはだめだ、これはだめだ、と言って」という教えはまったくの間違い、嘘である。

サタンが巧妙に吹き込んだ偽の教えである。

「我々は律法の下にいない」という偽の教えによって、数多くのクリスチャン、そして、牧師までもが基準を失った。

そして、自分勝手な宗教を作り上げた。

彼らはそれによって自由な気持ちになったが、まったく霊の世界を知らないたわけ者である。

罪には、必ず「常習性」と「亢進性」が伴う。

つまり、罪を犯すと、習慣化し、強い刺激を求めるようになる。

だから、知らず知らず、人間は罪に飲み込まれ、サタンの奴隷化する。

TVニュースによると、今回の事件では、まず先に男性(牧師)が裸でホテルの中で暴れたという。女性がフロントに言って訴えたという。

近所の人は、先に女性の悲鳴が聞こえて、4階のベランダから落ち、続いて男性が飛び降りたと証言しているという。

ということは、女性は正気であったが、男性によって落とされ、男は自らの意志で落下した、ということだろう。

つまり、この牧師は、殺人と自殺を犯したということなのだろう。

恐ろしいことである。

あれだけ神の愛、イエスの救いを説いた人である。

私は、この事件から、「いくら牧師であろうが、クリスチャンを名乗っていようが、罪を犯して悔い改めない人はいずれ悪霊に憑依されてやってはならないことをやり、破局する」ということを学んだ。

我々は「律法の下にいる」のである。

我々は「律法のおきてを守らなければならない」のである。

そして、守らず、悔い改めなければ、発狂して人を殺し、自分も殺すような恐ろしいことをしてしまうのである。

サタンは、我々の小さな罪を餌にして住み着く。

ゴキブリはこのサタンの方法を示すために与えられた生き物かもしれない。

我々は、自分の家を掃除せず、汚くしていると、ゴキブリやら蜘蛛やら変なものが住み着くようになる。

掃除しないで食べ物のカスを残しておくと、小バエがわくこともある。

これと同じで、自分の中の罪を放置しておくと、そこに悪霊が住み着く。時間が経つにつれて、この悪霊どもはどんどん繁殖して、非常に多くの悪霊が我々のうちにすむことになる。

その人間は、もはや自分ではなくなり、悪霊に占領される。そして、悪霊の業を行うようになるのである。

普段の自分から想像もできないような恐ろしいことをやる。

教えがいかに大切かご理解いただけたであろうか。

「救われるには何もしなくてもいい」というのは一面の真理である。

しかし、それは救いの全体を表していない。

救いとは「キリストの無代価の贖い」+「救われた契約人としての聖潔」でワンセットである。

洗礼を受けてクリスチャンになるということは、契約人になるということである。

契約人の基本条件は、「神への絶対献身」である。

もし神への絶対献身が欠如していたら、契約から追い出される。

なぜならば、契約とは神の国であり、神を絶対君主として統治者として受け入れる体制だからである。

それゆえ、「神よりも自分の欲を重んじる人」は、契約の中に加わりつづけることはできず、追い出され、永遠の刑罰を受ける。

今のキリスト教はここのところをきちんと教えていないので、「我々は律法の下にいない」などという謬説により、無数のクリスチャンを地獄に送り込んでいるのである。

今回のスキャンダル、福音派の反省材料として見なければ、この牧師の死は無駄になるだろう。

 

 

2006年12月25日

 

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