義務教育の真の目的


義務教育の真の目的について、John Taylor Gattoが『公教育が子供をだめにする方法と理由』において述べているのでご紹介する。

http://www.johntaylorgatto.com/hp/frames.htm


・・・アメリカの文献の中には、義務教育の真の目的について驚くほど一致した主張がある。たとえば、偉大なH・L・メンケンは、The American Mercury(1924年4月号)の中で次のように書いている。

「公教育の目的は、若者に知識を与え、彼らの知性を目覚めさせることにある、というのは間違いである。・・・これほど真理から遠い言葉はない。公教育の目的は、できるだけ多くの個人を、同一の安全なレベルにまで引き下げ、標準化された市民を育て、訓練し、不同意やオリジナリティを抑えつけることにしかない。合衆国における公教育の唯一の目的はこれである。・・・そして、それは他のどの国においても同様である。」

メンケンは風刺家として有名なので、我々は、この発言を少し誇張が込められた風刺として切り捨ててしまいがちだ。しかし、この記事において彼は、公教育の起源を、今は存在しないがけっして忘れ去られることのない軍国主義国家プロシアにまでたどっている。

・・・メンケンはここではまったく真面目である。我々の教育制度の起源は事実プロシアにある。・・・

奇妙な事に、我々の学校制度の起源を知ろうとすると、プロシアという名前が繰り返し現われるのだ。

20世紀のはじめに、ウィリアム・ジェームズは、このことを何度も示唆した。

クリストファー・ラシの1991年の著書The True and Only Heavenにおいてヒーローとして登場するオレステス・ブラウソンは、1840年代にアメリカの学校がプロシア化したことを公然と非難した。

ホラス・マンによる、マサチューセッツ州教育委員会への『第7回年次報告』(1843年)の実質的な内容は、フレデリック大王の国[訳注:プロシアのこと]への絶賛である。彼は、その中において、プロシアの学校制度をアメリカに持ち込むべきだと主張している。

プロシア文化がアメリカに大きな影響を与えるようになったとしても、当然と言わねばならない。なぜならば、アメリカはその初期において、このユートピア国家と深く関係していたからである。

独立戦争当時、プロシアはワシントンを助け、1795年までに多くのドイツ語を話す人々がアメリカに入植した。そのため、議会は連邦法のドイツ語版を発行することを検討した。

しかし、ショッキングなのは、アメリカ人がプロシア文化の最悪の部分――教育制度――を熱心に採用したことである。プロシアの教育制度は、民衆を「操作しやすくする」ために、知識人を凡庸にし、人間の内面的生活を破壊し、生徒のリーダーシップの技能を損ない、素直で不完全な市民を作り出すことを目的としていた。

John Taylor Gattoは、かつて、ニューヨーク州及びニューヨーク市の年間優秀教師に選ばれた。最近、「アメリカ教育の裏の歴史」を著した。

 

 

2004年9月20日

 

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