増税は自民党を壊滅させる
せっかく選挙で圧勝して人々の期待を集めたのに、増税を切り出すというのは何だろうか?
今、増税に走れば、自民党は確実に将来壊滅する。
なぜならば、今の財政難の原因をつきつめて追求していないからだ。
問題の本質は、「国が救世主になった」ことにある。
つまり、問題は、「人々から税金を集めて、それを公平に分配することによって、どの人にも平等に幸せを分与するのが国の使命だというヒューマニズム国家主義の考えに従った」ということにある。
この理念に基づいて国は、国民の生活のあらゆる分野に干渉するようになった。
それに伴って公務員の数は増えた。そして、これらの活動にかかるお金は増大し、それにまつわる御用業者も増え、利権の構造ができあがった。
国民が従順で文句を言わないために、国は歳出を減らさず、増税を繰り返した。
官庁は、今まで獲得した権利を守りながら、さらなる必要に答えようとするから、どんどん雪だるま式に出費が増えてついには首が回らなくなった。
我々国民はそろそろ悟らなければならない。
国は、救世主ではないのだ。
国は、国民の身と財産の安全を守り、正義と秩序が保たれるように守る働きをするために神に任命された組織でしかない。
それ以上の働きをさせようとしたのは、ヘーゲルの国家主義からなのだ。
これは、19世紀に始まる新興宗教である。
この新興宗教に世界は騙されてきた。
国は、一部の国民の救い主として彼らの生活を向上させるために、他国の富を求め、侵略し、戦争を起した。
この新興宗教に騙された国々は、2度の世界大戦という形で苦い果実を食べたのに、問題の本質を見極めることができずに、国に新たな役割を追加してきた。
今の指導者は、ソ連と共産圏の国々の失敗からも学んでいない。
国に本来属していない役割を次々と取り去って、身軽にすること、これ以外に、健全財政への道は存在しない。
軽軽しく増税を口にする今の大臣たちは、そうすることによって、自らの見識の甘さと勉強不足を暴露しているのだ。
こういった甘っちょろい政治家では、日本は変わらない。
これだけ大きな権限を与えたのに、変わらなければ、国民は自民党に愛想をつかすだろう。
だから、増税は、自民党を壊滅させるのだ。
2005年11月16日
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