キリスト教信仰を欠くことによる不利益は計り知れない


日本人は、長い間キリスト教を信じてこなかった。

このため、非常に多くの損失をこうむってきた。なぜだろうか。

文明の基礎を築けないからだ。文明の依拠する基盤を失うから。

キリスト教的神と世界の考え方がなければ科学は絶対に成立できない。

今科学者が依拠している世界観はキリスト教である。

科学者は、無意識のうちにキリスト教を土台としている。

世界が一人の神によって創造され、同一の法則が時間空間を越えて支配しているという信仰がなければ、科学は成立できない。

例えば、最近多神教がよいと言う知識人が現れているが、多神教の世界観では科学は成立しない。

時間と空間によって、支配原理が変わるならば、法則化は無意味だから。

ヨーロッパ文明は、ユダヤ教、キリスト教の契約思想によって主導されたため、大きな発展を遂げた。

契約思想において非常に重要な要素は、「統治」である。

人間は神の依頼を受けて、この地上を統治すべきだ、とする。

ヨーロッパ文明は、契約思想に基づいて被造物統治を目的とした。そして、その手段として科学を定義づけた。

経験科学の祖F・ベーコンは、科学の動機の主要な理由として、聖書の文化命令(神のアダムに対する「地を従えよ」との命令)を挙げた。

契約思想は、「継承」を重視する。

知識は自分で留めるのではなく、万人の知恵にまで格上げしなければならないとした。

他の地域でも科学が生まれたが継承に失敗した。なぜならば、「継承」を重視する思想がなかったからだ。

ヨーロッパ文明と他の文明の大きな違いは、文明を発達させなければならないという使命感の違いである。

契約思想により、ヨーロッパ人たちは、知識を子孫に継承し、それを発展させなければならないと考え、教育機関を発展させた。

「出て行って、すべての国民を弟子とせよ。」とのイエスの御言葉はヨーロッパ文明に大きな影響を与えた。

直線的な発展史観によって、ヨーロッパは他の文明を大きく引き離して発展した。

日本人は、ヨーロッパ文明の果実を受け取ることに巧みだったが、世界の歴史を牽引するためには、キリスト教の成熟した契約思想を学び、ヨーロッパ文明の根本から理解する必要がある。

キリスト教を信じなければ、どんなに先端知識を蓄えても、思想的に幼児である。

キリスト教信仰を欠くことによる不利益は計り知れない。

 

 

2008年5月21日

 

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