陰謀論を否定する人々へ
我々はよく「昔の人は奴隷とされてこき使われて大変だった。」というが、聖書的視点から見ると、10%以上の税金を取られている人は、みな奴隷である。
共産主義の「一人は万人のため、万人は一人のため」というスローガンは、国家による搾取のカモフラージュである。
昔、ソ連に聖書を持って入る働きをしていたころ、むこうのクリスチャンが「わが国では大学や医療は無料だ」と自負していた。
しかし、これは共産主義の策略である。
いくら学校や医療費が無料であっても、自分の存在すべてが国家の所有であれば何が得なのだろうか。
ソ連では、移動の自由がなかった。特殊な目的以外での外国旅行は禁止されていた。農民が都会に移り住むことは実質的に不可能だった。都市居住者でも、移動希望先の都市にこちらに移り住むことを希望している人がいない限り引越しもできない。つまり、交替以外の移住は不可能だった。
電話を取り付けるのに何年も待たねばならない。その他もろもろの規制があって、人々は完全に奴隷だった。
この国において唯一自由なのは、政治家、政府高官だけだ。ブレジネフは外車を集めるのが趣味だった。
「ソ連は労働者の天国」なんていうかつての社会党や共産党の宣伝は、すぐに我々外部の人間からみれば嘘であると分かるが、内部にいて、情報が遮断されていれば、頭のよい人以外信じてしまう。
タクシーに乗ったときに運転手が、我々が日本から来たと聞くと、「どうだ、我々の国は素晴らしいだろう」と自慢していた。
映画館で上映された日本映画のクレジットの場面で、ヘリコプターによる上空からの東京の映像がなぜ黒く塗りつぶされているのか不思議だったが、恐らく、日本の繁栄を知らせたくなかったのだろう(もしくは、防衛機密として日本側がそうしたのかもしれないが)。
フィンランドでは酒が高価らしく、レニングラードには、フィンランドから酒を求めて旅行者がよく来ていた。彼らの服装や持ち物が豊かのを見てロシア人は不思議に思わないのだろうか、と思っていたが、「あの旅行者は特権階級で、一般の市民は悲惨な生活をしている」と吹き込まれていると聞いた。
義務教育制度は、国家による一種の情報統制である。これは日本においても同様だ。
人々は、愚にもつかない進化論などという偽りを信じこまされている。「キリスト教は人々を暗愚と迷信の中においていたが、啓蒙主義によって人々の目は開かれていった。今日の科学による恩恵は、キリスト教に対する戦いの果実である。」などという嘘を植え付けられてきた。
社会福祉によって我々は医療・公共施設・年金など様々な恩恵を受けている、というのも嘘。その代わり、どれだけ税金を取られているか。
外に出れば豊かな自然の恵みを思う存分味わえるのに、檻の中のわずかな餌をありがたがっている猿と同じだ。
だから、我々はソ連の人々を笑えない。
たしかに、ソ連のような露骨な情報統制は行われていない。しかし、テレビで見るもの、新聞で読むもの、学校で学ぶもの、あらゆるものにフィルターがかかっていれば、どうだろうか。
「tomiさん、また陰謀論ですか?陰謀なんてのは・・・」
これが、陰謀によって騙されている人の特徴だ。
いいですか?権力は真空を嫌う。だから、真空ができたらすぐに誰かがそれを埋めようとする。権力の拡大を狙っている人々は真空の存在を許さない。
だから、中立なんてものはこの世に存在しない。
ソ連や中国が情報統制したように、どの権力でもできるだけ自分に有利になるように人々から真実を隠そうとする。
陰謀論を否定する人々は、議会制は戦いなしで達成された、と考えるおめでたい人々である。
大衆が参政権を獲得するのにどれだけの犠牲を払ったかを忘れている。
自ら声を挙げない限り、我々は権力に利用されるだけだということに早く気づくべきだ。
2007年8月28日
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