ファンダメンタリズムへの誤解がはびこっている
ここで何度も繰り返して述べているが、アメリカの原理主義キリスト教について批判する人々は基本的知識として次を承知して欲しい。
聖書を無誤無謬であると信じるファンダメンタリズム(原理主義と訳され、イスラム原理主義と連想され危険視される傾向があるが、歴史的キリスト教はファンダメンタリズムであった)には2つある。
(1)プレ・ミレ
(2)ポスト・ミレ
(1)は、近い将来に終末がやってきて、ハルマゲドンで核戦争が起き、人類の3分の2が滅びると本気で信じている人々。
(2)は、これからそのような終末は来ず、逆に、世界は徐々にキリスト教化され、世界が御国と化すると信じる人々。
ファンダメンタリズム(ほぼ福音派と同義)には、この2つの立場があるので、混同しないようお願いする。
メディアやネットで目立つのは、我々のことを「聖書を無誤無謬であると信じ、ハルマゲドンを信じる危険な輩」と評する人々だ。
たしかに、ファンダメンタリズムの人々の中には(1)が非常に多い。
しかし、(2)が増えているのも事実だ。
(1)は歴史的なキリスト教の信仰ではなく、19世紀初頭にはじまった非常に新しい考え方であり、正統的な信仰とは言えない。
聖書からの論証がまったくできない立場であり、このような異端的な立場がファンダメンタリズムのキリスト教を支配していることに憂慮を覚える。
(1)は核戦争を否定せず、人類の大虐殺を肯定するので、非常に危険な立場である。
ファンダメンタリズムの批判者はこういった知識を元に精密な批判をしてほしい。
2008年1月8日
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