アメリカの本当の支配者


アメリカには恐ろしい規則があるようだ。それは、国民から自由を奪っている。

米国政府印刷局は、連邦官報というものを発行している。各号は、275ページある一冊の本である。1ページあたり3つのコラムがあり、毎年250号発行される。つまり、合計すると69,000ページである。

そこには、米国民の生活のあらゆる分野に関する首尾一貫性のない規則が記されている。書いているのは、国の法律家だ。

議会を含め、国民が15日以内に聴聞会を要求しない限り、それは、国法になる。

そのサンプルがこれだ。
http://www.access.gpo.gov/su_docs/fedreg/frcont09.html

2009年だけでこれだけある。

ほぼ毎日、275ページの本が出版され、それがいちゃもんがつかない限り、15日後に自動的に法律になる?

とんでもない。

ゲイリー・ノースは、IRSの1979年の規則にクレームをつけ、それを撤回させることに成功した。1960年以降に設立された私立学校で、生徒と先生の人種構成がその郡の人種構成と同じではない学校の免税措置を撤回するという規則だ。

クレームには、30日かかり、12万5千通のレターを提出してやっと撤回できた。

その後、クレームの期間が15日に短縮されたので、今ならば、成功しないだろうという。

明らかに反対を封じ込めるための方策だ。

膨大な数の法律によって、アメリカは人民の手から官僚の手に渡った。

1983年、ハーバード大学の法歴史家ハロルド・バーマンは、Law and Revolutionという本の中でこう述べた。


西洋の人々は自由を失いつつある。一世紀にわたって静かに、かつ、無慈悲に続いている法的革命「行政法への移行」によって。
官僚たちは、規則を書き、それを行政法裁判所を通じて執行する。

この過程をとめるものは誰もいない。予算のカット以外は。

他のいかなる力も、この行政法による無慈悲な支配から解放できない。

かつて裁判所では、陪審員が拒否権を行使できた。しかし、今それは不可能だ。なぜならば、官僚は行政裁判所を利用するからだ。そこには陪審員がいない。いるのは、官僚に雇われた判事だけだ。

この判事たちは、雇い主の法律を解釈し、原告と被告の弁護士のいずれの主張が正しいかを判断する。

バーナンは、このシステムを「自由への最大の脅威」と述べた。

米国で最大の権力を握っているのは、実は、実は議会ではなく、法律を作り、それを自前の裁判所で執行する官僚であった。

http://www.lewrockwell.com/north/north821.html

 

 

2010年3月7日

 

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