アジカン
長らくアメリカが世界の大衆文化をリードしてきたが、最近どうも風向きが変わったようだ。
1990年代後半からアメリカはかつてのようなビッグアーチストを出していないように思える。
しかも、人々はアメリカのものに飽きてきている。ユーチューブでは、アメリカ音楽の批判と日本の音楽への賛辞が多い。
人々の関心は確実に日本のアーチストに移っているようだ。
最近興味があるのは、アジアン・カンフー・ジェネレーション(通称アジカン)というバンドである。昔名前だけは耳にしたことがあったが、実際に曲を聞いたことがなかった。
大学の音楽サークルで結成したアマチュアバンドだったが、地元で人気が出てメジャーになった。
曲を聴いて驚いた。非常にキャッチーで、他のバンドにはない魅力がある。リーダーで曲を書いている後藤正文氏には世界トップレベルの才能を感じる。
これまで日本のバンドは、どうあがいても日本のオーディエンスの枠を出なかった。旋律や曲の展開がどうも日本人の感性の枠を出ておらず、世界の人々の心をつかむことができなかった。
しかし、アジカンは違う。ビートルズがShe Loves Youを出した時のように、時代の変化を感じさせるムードを持っている。
アメリカや欧米のアーティストが沈黙している今、人々は心を躍らせてくれる新しいカリスマを求めている。
ユーチューブでは、アジカンのビデオに世界中から多くの人々が絶賛の声を寄せている。
私は、今世紀に入ってから文化の中心地がアメリカからアジアに移ったと感じている。
もしこの考えが正しければ、日本から多くのカリスマが現れるだろう。
実際、人々の目は日本に向けられている。たとえばアジカンが世界的にヒットし、人々の心をつかむことができれば、誰もこの傾向を疑わなくなるだろう。日本が世界の文化のリーダーになったことに誰もが気づくことだろう。
神が文化的潮流を変えられるときには、超自然的なカリスマを誕生させるものだ。私は一つの時代の移り変わりの指標という意味で、アジカンに注目している。
2007年3月15日
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