キリスト教はローマ帝国が作った人造宗教?


太田龍氏の次の説に反論する。


「キリスト教は、ローマ帝国の貴族が、当時の広大なローマ帝国を統治するために、既存の宗教では欠けていた普遍性を備えた宗教として作り出した新興宗教であって、キリストはそもそも存在しなかった」

http://video.google.com/videoplay?docid=-3312736751018168772&q=source:015786061597914915031&hl=en

この説は次の単純な質問で反論できる。

1.新約聖書は、なぜキリスト殺害の罪をローマ人に負わせたのか。新約聖書のキリスト受難の記事や、初代教会から唱えられてきた使徒信条では、「キリストは、ポンテオ・ピラトのもとで十字架に付けられた」と明記しているのはなぜか。

2.なぜローマ及びローマ皇帝を「荒らす憎むべき者」(マタイ24章)と呼び、野獣と呼んでいるのか(黙示録13章)。

3.なぜ自分達が作り出した宗教を信じる100万人とも言われる数のクリスチャンを迫害したのか。ローマ政府は守らなければならない彼らをなぜカタコンベでの地下生活を余儀なくさせたのか。キリスト教が公認される4世紀までの間300年間キリスト教は迫害されていたのだが、なぜか。

4.ローマ帝国の統合に役立たせる目的で作られたのであれば、どうしてキリスト教は、ユダヤ人との間に亀裂を生じさせたのか。そればかりか、ローマの他の市民との間にも軋轢が生じた。なぜならば、キリスト教は唯一神を信じるが、ローマ人は多神教だったからだ。クリスチャンは異教の神を拝むことを頑固に拒絶した。そのために、ローマ帝国に分裂が生じた。逆効果ではないか?

以上、私の反論である。

 

 

2008年5月29日

 

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