本当の運動はホイホイ進まない
ソ連という国の霊的な抑圧感は、体験したことのある人でなければ分からないだろう。
国全体が悪霊に憑依されている感じなのだ。1ヶ月暮らして鬱にならない人がいたらすごい精神力だろう。
ソ連では、クリスチャンであることが公的には認められない。
国家が反キリストであるような国がどのようなものになるかということを自分の目で見るチャンスだった。
個人商店がなく、すべてが国営なので、華々しいものが何もない。デザインも工夫がない。夜は真っ暗。ネオンもまばら。
ただあの体制のあの国にしかない奇妙な魅力もある。
なぜ神が私をあそこに送られたのか、最初わからなかった。
宣教師にするためか?違う。自分にそのような賜物はない。
結局、マルクス主義の実際を見た体験は、今のこの働きに非常に役立っている。
近代、ヒューマニズム思想の総括をするには、ソ連を総括しなければならない。
マルクス主義は、ヒューマニズムの純粋型だ。
人間が神抜きでどこまでやれるのか、この点について総括ができなければ、我々は将来同じミスを犯す。
そういう意味において、神は私をこの立場に導かれた。だから、この問題については多くのことを考えてきた。
残念ながら、今ほとんどの人が我々の主張が理解できない。
再建主義の批判は、表面的な部分に留まっており、全体像がまったく見えていない。
しかし、この運動は神からはじまっているので、消そうとしても消すことはできない。
アブラハムも、イサクも、約束は与えられたが、不毛の年月をえんえんと送らねばならなかった。
なぜならば、簡単に子供が生まれれば、約束によって生まれたかどうかが分からなくなるからだ。
神のなさる本当の働きは、ホイホイ進むものでは絶対にない。不毛の時代が長く続く。
神の仕事をする人は、「待つ」ということができなければならない。
2008年2月24日
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