愚かな過ちを繰り返すな
今、教育者は、試行錯誤をしているのだろう。
戦後の民主主義教育が利己主義者しか生み出さなかった反省から、国家主義の教育を復活させようとしているのだろう。
日本は、プロシアを模倣したという意味において、アメリカと同じ路線を歩んできた。
しかし、アメリカには民衆の間にキリスト教の影響が強かったから、それほど露骨な国家主義教育には向かわなかった。
教育が強い国家主義になったのは、20世紀後半になってからである。
日本は、近代統一国家を造るのが急務だったため、天皇を先進的な支柱にした国家主義を生徒に徹底して叩き込んだ。
戦争に負けて、アメリカがこのような国家主義を日本から追い出そうとした。
しかし、彼らは、追い出した後に何も入れなかった。民主主義とは「多」の原理である。いわば、多神教である。
多神教とは、「多が究極で、一は不法である」という考え方であるから、人々に統一を教えない。
だから、日本は目を描き込まれていない竜のようなもので、しまりがなかった。
教育者たちは、最近になって、生徒に国家への崇拝と恭順を教えることによって、利己主義者、個人主義者、非愛国者になった日本人の根性を叩きなおそうとしている。
しかし、これは失敗の歴史の繰り返しである。思想的な反省がない限り、日本は同じ悪霊に支配されるだろう。
(神を王座から引きずり下ろして自分が世界の王様になろうとする)ヒューマニズムの革命思想に基づくヘーゲル国家主義を受け入れた時に、日本もアメリカも「道を踏み外した」のだ。
イスラエルが神を退けて、王を求め、国家に頼った時に、神は、このように言われた。
「今、彼らの声を聞け。ただし、彼らにきびしく警告し、彼らを治める王の権利を彼らに知らせよ。」
そこでサムエルは、彼に王を求めるこの民に、主のことばを残らず話した。
そして言った。「あなたがたを治める王の権利はこうだ。王はあなたがたの息子をとり、彼らを自分の戦車や馬に乗せ、自分の戦車の前を走らせる。
自分のために彼らを千人隊の長、五十人隊の長として、自分の耕地を耕させ、自分の刈り入れに従事させ、武具や、戦車の部品を作らせる。
あなたがたの娘をとり、香料作りとし、料理女とし、パン焼き女とする。
あなたがたの畑や、ぶどう畑や、オリーブ畑の良い所を取り上げて、自分の家来たちに与える。
あなたがたの穀物とぶどうの十分の一を取り、それを自分の宦官や家来たちに与える。
あなたがたの奴隷や、女奴隷、それに最もすぐれた若者や、ろばを取り、自分の仕事をさせる。
あなたがたの羊の群れの十分の一を取り、あなたがたは王の奴隷となる。 (1サムエル8・9−17)
2004年10月28日
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