二項図式は再建主義の専売特許か?


<山谷さん>
再建主義の特徴は、神と人間との間の「中間領域」の存在を否定する「二項図式」の世界観にあります。

この「二項図式」の世界観においては、諸国家の憲法の精神や統治システムは、「聖書に根拠した神的なもの」であるか、「ヒューマニズムに根拠した悪魔的なもの」であるか、どちらかしか、あり得ません。

そこで、「二項図式」の世界観に立つ再建主義は、当然のことながら、近現代の諸国家の憲法の精神や統治システムを、すべて例外なく「悪魔的」と断定しなければならないことになります。

これにより、民主主義は「ヘーゲル主義の陰謀結社スカルアンドボーンズが流布させたもの」という見方が生まれることになり、さらに、自由や人権は「ユニテリアン・理神論の陰謀結社フリーメーソンが流布させたもの」という見方が生まれることになります。(陰謀論的近現代史観)

注意しなければならないことは、たとえ再建主義ではなくても、「二項図式」の世界観に立ってしまうと、近現代の憲法の精神・人権思想・統治システムを「悪魔的」と断定してしまう傾向が見られることです。

http://1ch.tv/quoteres.php?msg=118892&th=1079&ca=1&ar=7&sc=thread

<tomi>

山谷さんは2つの大きな間違いをしています。

(1)彼のいう「二項図式」は再建主義の専売特許ではなく、正統的なカルヴァン主義が古来から主張しているところであり、それをはっきりと神学的に明確に定義したのはヴァン・ティルです。

もちろん、ヴァン・ティルは、再建主義者であると自分のことを述べておらず、旧来の改革派の伝統を受け継ぐ学者です。

同じく旧来の改革派の神学校である私の卒業した神学校や所属していた教会でも同じように世界を「神とサタン」に分けて考えており、とりわけ珍しい考え方ではありません。

再建主義と普通の改革派との違いをきちんとおさえておきましょう。

(2)「近現代の憲法の精神・人権思想・統治システム」は、かなりの部分、カルヴァン派の神学から生まれており、我々もそれらを「悪魔的」とは考えておりません。

再建主義が否定しているのは、「聖書に反する」憲法精神、人権思想、統治システムであって、「憲法精神、人権思想、統治システムそのもの」を否定しているわけではありません。

もっと冷静になって、批判する対象を理解するように努めましょう。

 

 

2006年9月14日

 

ツイート



 ホーム

 



millnm@path.ne.jp