現代聖書翻訳の父ウェストコットとホートの正体4


ウェストコットとホートは単にオカルトであっただけではなく、世界統一政府運動にもかかわっていた。

彼らの仲間であったバルフォアは、「空中浮遊の報告に鼓舞され」心霊研究会のリーダーを務めた。「イギリス自伝事典」には、「形而上学を取り戻せ」という彼の言葉が引用され、彼が「死者」と交信することを楽しんだことが記録されている。

アーサー・バルフォアは、ホートの「使徒」、ウェストコットの「エラヌス」のメンバーでもあり、ほどなくしてイギリス首相の座につき、国際連盟の設立にかかわった。

ニューエイジ思想家ヴェラ・アルダーは最近このように述べた。


世界政府の胎動は、すでに国際連盟において始まった。

バルフォアは、心霊研究会のリーダーであり、自宅で交霊術を行うとともに、「総合会(Synthetic Society)」というグループを創設した。この会の目的は、「世界統一宗教」の建設にあった。心霊研究会のフレデリック・メイヤーを招いて「すべての宗教の前提(The preamble of all religions)」を作り上げた。そこには「死者の霊と交信できる」という教えが含まれていた。

「総合会」の会員の大多数は、後にマルクスの弁証法的唯物論に発展したヘーゲルの弁証法思想の支持者であった。

オカルトとヘーゲル主義、共産主義の間には密接なつながりがある。
The Fabiansによると、エドワード・ピースとフランク・ポドモアは、心霊研究会の創設に携わっただけではなく、ロンドンにおける様々なマルキストのグループにおいて積極的に活動していた。ピースは、ウェストコット、ホート、シドグウィックの「幽霊会」と自らのマルキストとしての活動を「我々の共通の仕事」と呼んだ。

The Fabiansでは、2人の心霊研究会の会長、アーサー・バルフォアとその兄弟ジェラルド・バルフォアは、マルクス主義の先駆者と呼ばれている。このようなイギリスにおける交霊術者と社会主義者のコネクションは、アニー・ベサントの略歴に記されている(Riplinger, pp. 418, 419)。そこでは、(ウェストコットとホートが共鳴し、ローマ・カトリック寄りであった)オックスフォード運動、「ロシア人の友人(Friends of Russian)」、総合会、ブラヴァツキーの神智学会が互いに一つの運動として描かれている。

これらとバルフォアとウェストコット、ホートの関係をつなげて見るときに、次の図式が見えてくる。
すなわち、

アンチTextus Receptus=オカルト=ヘーゲル弁証論=マルクス共産主義

これらはすべて世界統一政府を究極の目標として成立する運動である。懸命な読者は、背後にバベルの塔を築いた悪魔の霊の活動を見ることだろう。

実際、ニューエイジ運動において「ワンネス」は中心的教義である。それゆえ、世界統一政府は、彼らにとって当然の政治的選択なのである。ニューエイジャーにとって、人間は宇宙の超意識の一部であり、あなたも私も、木・猫・岩・鳥・花もすべてが全体の一部である。我々は母なる地球から生まれる異なるバイブレーションに過ぎない。これは、汎神論、グノーシス思想、モニズムの融合である。

リプリンガーは、ウェストコットとホートのギリシャ語テキストが現代の聖書翻訳に及ぼした影響について説明しているが、その中でもNIVのヘブル9章10節は驚嘆に値するという。KJVではこう訳されている。

Which stood only in meats and drinks, and divers washings, and carnal ordinances, imposed on them until the time of reformation.
(それらは、ただ食物と飲み物と種々の洗いに関するもので、改革の時が来るまで課せられた、からだに関する規定にすぎない。)

このuntil the time of reformationという部分に注意していただきたい。これは「改革の時が来るまで」という意味である。
しかし、それをNIVは、このように訳している。

They are only a matter of food and drink and various ceremonial washings―external regulations applying until the time of the new order.

until the time of the new orderである。つまり、「新しい秩序の時まで」!!

明らかに「新世界秩序(New World Order)」を想起させる翻訳である。ちなみに、新改訳も同じように訳している。

それらは、ただ食物と飲み物と種々の洗いに関するもので、新しい秩序の立てられる時まで課せられた、からだに関する規定にすぎないからです。

同じく「新しい秩序」である。

人々を「新世界秩序」つまりバベルの塔の世界に向けて準備させる隠れた意図が読み取れるのではないだろうか。

その5

 

 

2009年8月5日

 

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