マスコミに登場する評論家のアジテーションに騙されるな
陰謀を理解しないで世界を論じると、世界を誤解する。
ある評論家が、ラジオで「アングロサクソンは戦争を生業とする。彼らの性質は略奪だけである。日本人の生業は土着して穀物を生産すること」というようなことを言っていた。
とんでもない誤解である。
17世紀の市民革命は、アングロサクソンの農商工業における生産拡大によって民衆の富が増大したという背景のもとで発生した。
アングロサクソンにおいて産業革命が起こったのは、それ以前に科学的知識の積み重ねと倹約と労働の訓練が背景にあったからで、単純に戦争だけで国力を富ませたわけではない。
土地を所有し、科学的知識を身につけ、勤勉によって産業を起こすということをアングロサクソンは世界に先駆けて行った。
帝国主義的な植民地からの収奪と呼ばれるもののきっかけは、国内の富が余り、国外に販路を求めた結果生まれたものである。
日本も生産力が向上し、商品を国内だけでは処分できなくなり、貿易を求め、その買い手を求める過程で海外進出した。それが戦前では、軍事的手段を伴ったが、戦後は、平和的手段によったという違いがある。
中国人は、日本は戦後、他国の発明を模倣し、他国を騙して金を稼いできたというようなことを言ったり教えたりしているが、まったくの間違い。
収奪や姦計だけで国が富むというようなことはありえない。
国力を増す国の背景には、勤勉と倹約という健全な国民の資質が必ずある。
近代のほとんどの侵略や戦争などは、こういった実業を持つ人々のトップに君臨し、その国をテコにして、世界を支配しようとした金貸しの人々の野心によるものであり、アングロサクソンとか日本人とかに責任をなすりつけるのは不健全だ。
こういったトンデモない評論家が、マスコミで大きな顔をして、世界を論じているが、非常に危険である。彼らはアジテーターである。
彼らは、キリスト教もこの論法で批判する。
「キリスト教の宣教師は、列強の侵略の水先案内人の役割を果たした。キリスト教の野望は、世界の奴隷化である」というような、不健全な意見をいいはじめている。
内容を詳しく吟味せずに現象だけから論じると、こういう誤謬におかされ、人々を間違った方向に導くことになる。
視聴者は、これらのアジテーターたちに騙されてはならない。
2009年2月23日
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