不換紙幣のシステムはいずれ崩壊する
共産主義は、中央銀行による通貨の独占的発行権を主張する。
通貨の独占的発行権は、その国の神になることを意味する。
通貨は、一つの商品と考えられる。我々は買い物をする際に、商品を手に入れる代わりに、通貨という価値のある物、つまり、代替商品を売主に手渡す。
売主が偽札かどうか心配するのは、自分が渡した商品に見合う価値がその紙幣にあるかどうか心配するからである。
しかし、もし通貨の発行者が自分の独占的発行権を利用して、紙幣を自分の持っている金よりも多く発行するならば、それは、その紙幣の価値を偽る行為であり、詐欺である。
だから、不換紙幣とは詐欺、偽札なのである。
もし発行者が独占的発行権がなく、通貨を他の者も自由に発行できるならば、たとえば、金で売買が成立することが許されるならば、人々は、そちらのほうを選択するだろう。
確実なものを手に入れたいからだ。
通貨は、一つの商品であるならば、ある会社の商品が質に問題があれば、他社の商品によって取って代わられるように、通貨に問題があれば、他の通貨によって取って代わられるだろう。
しかし、他の通貨が通用しない独占的発行権が中央銀行に与えられれば、人々は偽札を使う以外にはないので、粗悪品以外売っていないソ連のような国のように、闇市が成立するようになる。粗悪なソ連製品よりも、闇で外国製品を買うようになるのと同じで、人々は通貨を信用せず、もっと価値の安定した確実な通貨を作り出し、そちらを利用するようになる。
だから、あまりにも国家が横暴で、紙幣を乱造する国では、より安定した通貨、たとえば、ドルなどで闇に取引が行われる。
マルクス主義国家の独占性は、一時的には通用しても、長期には通用しない。権力にしても通貨にしても。
それは、「絵に描いた餅」であり、競争を排除するならば、社会内部において矛盾が生じ、その矛盾がいずれ爆発する。
現在の日本では、戦後のマルクス主義的独占的制度のほころびが出てきた。
権力において、教育において、通貨において・・・。
運輸に関して国鉄が崩壊、通信に関して電電公社制度が崩壊。
教育に関して義務教育制度が崩壊しつつある。
いずれ通貨が崩壊するだろう。
自由競争以外に長期的に生き残るシステムは存在しないのである。
人々がより価値のあるものを求められるシステムでない限り、長期的に生き残ることはできない。
中央銀行に通貨独占的発行権の所有を許す今の不換紙幣のシステムは、いずれ崩壊する。
2009年2月13日
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